「この1年間で少しは成長できたかと思います。」

「成長実感がすごく持てた1年でした。」

メンバーと振返りをしていると、彼らのこんな言葉を聞いて違和感を抱くことがよくありました。

「え? 成長できたと思ってるの? あなたにとっての『成長』とはどういうこと?」(ブラック時代のお話です)

私から見ると「成長しなかったなぁ・・・」というところに「成長できたと」と言う言葉が返ってきたのですから、それはもう違和感ありありなのでした。

当時の私の物事の捉え方に問題があったのですが、それについては今回はひとまず置いておいて、この「成長」という言葉の定義の解釈がメンバーと私とでは大きく違うことに気が付いたのは、「自己評価甘すぎるんだよね」とうがったものの味方をしていた時代を乗り越えて、「判断基準が単純に違うんだ」と理解した時でした。

結果はまだ出ていなくても気持ちが前に向いたり行動面に変容が出たら成長ととらえる人。

1%でも業績が上がったら成長ととらえる人

数%の業績の上振れは実力とは関係なく起こり得るので10%以上のアップがなければ成長ととらえない人

本当に人それぞれ、千差万別です。

この定義を統一しておかないと評価者面談の際にすれ違いが起きてしまうので、最初の目標設定の際にしっかりとすり合わせをするようになりました。

 

カルロス・ゴーンさんには更に一歩進んだエピソードがありました。

「今後、会社をどう成長させるか」というテーマでディスカッションする時、まず最初に「成長という言葉の定義」を全員に質問するそうです。

同じ問題意識を持っているように見える人たちでも、議論の前提となっている基本的な言葉の定義をしっかりと共有できていないと、ディスカッションそのものが空洞化してしまう恐れもあるためです。

自分にとっては当たり前の考え方も、人によっては異なることがあるからです。

 

これは何も「成長」に限ったことではありません。

かつて私がメンバーとのズレに苦しんだコトとして、「達成感」「イキイキと働く」「やりがい」など、本当に当たり前に使っている言葉がありました。

考えてみると、これらの言葉の解釈には、その人の価値観が多分に反映されるのだと思います。

 

メンバーやチームの相互理解を深めるためには、彼らの価値観をちゃんと理解し、当たり前の定義を確認してみることも時には必要なのかもしれません。

 

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