「どうせ私は営業事務ですし、特に目標もありません」というメンバーがかつていました。

普段、一生懸命仕事をしていますが、「どうせ・・・」という発言が気になりました。

もう随分前のことですが、当時、面談した時の記憶を思い起こしてみました。

以下、Aが営業事務のメンバーさん。30歳女性。 Bがマネージャーだった私です。

 

B:Aさんは仕事でどんな目標を持っているの?

A:目標ですか? 別に・・・ 営業事務ですし、私なんか特にとりえもないですし、皆さんに迷惑をかけずに働ければそれでいです。

B:Aさんはいつも頑張ってくれているので、営業はみんなとても助かっているよ。どうもありがとう。迷惑だなんて、とんでもない!じゃあ、今、何か困っている事はある?どんな小さなことでもいいよ。

A:困っている事ですか?特には・・・

B:何でもいいよ。「こうだったらいいな~」と単純なことでいいよ。

A:だったらあります。営業の皆さん、いつも忙しそうなので仕方ないと思っているのですが、いつも依頼が突然だったり急ぎのモノが多くて。急ぎのモノも一人だけだったらいいのですが、KさんとMさんがほぼ同時とか。そういう時、KさんとMさんのどちらを優先すれば良いのか困ります。

B:それはそうだよね。困るよね。他にある?

A:他にですか?急いで用意した資料が役に立ったのかどうか、Kさんのはわからなくて・・・。Mさんはいつもその後を連絡してくれるので、とてもありがたいのですが。あ、別にKさんの悪口を言っているんじゃないですよ。

B:わかってるよ。そうだよね。折角用意したものがどうなったのか、その後が分かった方が良いよね。他にはある?

A:他にですか?いえ、皆さんには良くして頂いているので。私なんか失敗も多くて特に優れた能力もないですし。文句を言える立場じゃないですから。

B:文句だなんて。私ね、このチームをもっと良くしたいんだよね。だから、いつもチームを支えてくれているAさんの意見を聞いておきたいと、ずっと前から思ってたの。「私なんか」とか言わないで。寂しくなっちゃうよ。ホント、助かってるんだからね。それで、最初の仕事の優先順位のことだけど、もし、急ぎの仕事が改善されて、優先順位をちゃんとつけた上でAさんに仕事が割り振られたとしたら、Aさんにとって良い事ある?

A:良いことですか?ありますよ!大ありです!まず、慌ててやらなくていいので、自分の中でしっかりと段取りと準備して、納得いく仕事ができます。優先順位がわからなくて慌ててやった時にはミスも多いし、中途半端な仕上がりの時もあって、いつも申し訳なくって。訳が分からなくなってそのうち、「こなし仕事」になってしまうこともあって。そうでなくて、私から皆さんに色々と質問したりする余裕もできれば、もっと工夫もできて、今よりもお役に立てるような気がするんです。

B:Aさんからは何度か「皆さんのお役に立つ」という言葉が出てきてるけど、人の役に立てるということを大切にしているの?

A:はい!私は自分が陽の当たるところで活躍するというよりは、誰かを支えて、縁の下の力持ちみたいな。それで、その支えた人が活躍してくれるのがとても嬉しいんです。

B:そっかぁ。人を支えるのが喜びだなんて、素敵だね。ということは、Aさんのサポートで営業部のチーム成績が上がったら、Aさんも営業マンと同じかそれ以上に嬉しく思えるということだよね?

A:はい!そうなんです。だから、私が作った資料がお役に立てたとMさんから聞くと、すごく嬉しいです。Kさんにはお役に立てているかどうかが分からないので、改善点も分からなくて。でも皆さん忙しそうなので、私からはそんなことも言い出せなくて。

B:Aさんの気持ちはよ~く分かったよ。教えてくれてありがとうね。チームの営業成績向上にAさんが何らかの形で関わっていることがAさんの喜びでもあるんだよね。

A:はい!その通りです!

B:とすると、もう1回聞くけど、Aさんの仕事での目標は何?

A:あ~、そういうことか。だとしたら、私の目標は「いかに皆さんのお役に立てるか」、その「お役立ち度数」を上げることです。

B:お役立ち度数?面白い!いいね、それ。じゃあ、そのお役立ち度数の最高が10点満点だとして、今のAさんのチームにおけるお役立ち度数は何点くらい?

A:今は5点くらいでしょうか。振り回されていることが多いので・・・

B:5点ね。Aさんは自分に辛口だね。じゃあ、6点にするために、1点上げるために、まずAさんが自分でできることは何かある?

A:えっとぉ。自分の仕事を見える化します。やっている事とその期限と。営業の皆さんにそれを共有します。

B:へえ~。いいね。仕事の量と期限の共有ね。それやったらどうなりそう?

A:はい。私には皆さんのお仕事の調整はできませんが、私の仕事を見える化することで、皆さんで話し合って、期限調整していただけると良いなと思って。

B:いいじゃない!情報提供して、営業マン動かしちゃうんだね。ナイスアイディアだね。Aさんの見える化を参考にして、仕事を依頼する時は営業マン同士でちゃんと調整し合うように、私からも皆に言っておくね。

A:ありがとうございます!そうしていただけるととても助かります。

B:Aさんにはもっともっと助けてもらわないといけないから。これからもよろしくね。

A:はい! 頑張ります!

 

「目標は特にない」「私なんか・・・」と言っているメンバーに「それでも考えて」と言ってもなかなか出てきません。そういう場合には、「困っている事」「こうだったらいいな」という小さなことから話を発展させていくと、目標に結び付きやすくなります。

また、後方支援のスタッフは、マネージャーが見えない(気づかない)様々なコトを実はよく知っています。このケースでも、仕事のムチャ振りや仲間内での報連相の欠如という、私が気がついていなかったことを知ることができました。

後方支援のスタッフがイキイキと仕事をしているチーム、職場と言うのは、きっと関係性の質も高く、必要なコミュニケーションも十分に取れているのではないでしょうか。

陽の当たる営業マンだけに何かと目が行きがちですが、このようなメンバーこそ大切にしなければいけませんね。

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