大手旅行会社での新入社員研修の中の営業研修の時(当時、男性は東京、女性は大阪と、男女別々に研修を行っていた今では考えられない時代なのですが)、講師の方がおっしゃった言葉を今で鮮明に覚えています。

「君たちは業界最大手に就職できて今、とても優越感に浸っているかもしれない。でも、弊社の営業マンとK社の営業マンを比べた時、僕はK社の営業マンの方がはるかに創意工夫に富んでいて人間味あふれる社員が多いと思っている。これは旅行業界に限ったことではなく、例えば自動車業界も同じ。No.1のトヨタの営業マンよりも、マツダの営業マンの方が優秀な人が多いと私は感じている。業界最大手の社員はどうしても会社のブランドに頼ってしまう。しかし、4位や5位の営業マンは会社のブランドにだけ頼っていては最大手には太刀打ちできず、自己研鑽もかなり積んでいるし、努力もしている。何より、人としての魅力に大いに溢れる人が多いと思う。君たちがこれから自分をどう育てていくかは君たち次第だ。しかし、少なくとも社名におんぶに抱っこで名刺でしか仕事ができない人にはならないでほしい。」

 

これは何も、営業に限ったことではありません。どんな職種でも同じことが言えるでしょう。そして、それは大企業に勤めている人でも同じです。

あの時、講師の方が本当に言いたかったのは、社名や肩書、資格で仕事をするのではなく、個人の実力や人柄を磨き、それが認められて質の良い仕事ができる人になってほしいということだったと思っています。

ブランディングと言うと、ややもすると上辺だけを取り繕った中身のないものに聞こえるかもしれません。

しかし、自分をブランディングするということは、知識やスキルなどの仕事に必要な力量を磨くのはもちろんのこと、経験を積み、成功や失敗から多くのことを学び、なおかつ、人間力を磨くということに他ならないと思います。

 

「みんな、自分のブランディングを怠らないように」

厳しくも優しい笑顔でそう話してくれた講師の方の笑顔が今も頭に浮かびます。

 

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