GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本) というお勧め本があります。
かつて、私は生意気にも勤務していた会社のHPに「書評」などと偉そうに綴っていたことがあるのですが、今考えると、穴があったら入りたいほどに傲慢だったと思うのです。

「とにかく読めばわかる!」では何のお勧めにもなりません。この本の中でいくつか印象深かった事柄の中から私が膝を打って納得した事、感覚的に分かっていてもなかなかうまく表現できなかった事がものの見事に言語化されていて、「それ、使わせていただきます!」と思った事をご紹介します。

それは、他者に対して何かを「与える」時、それがボランティアであろうと、メンバーのために自分の時間を割いて企画書づくりの手伝いをすることであろうと、オフィスの汚れを綺麗に掃除することであろうと、家族のために買い物に付き合うことであろうと、有形無形を問わずに他者に「与える」時に、やる気に満ちてそれが続く人と、そうではなく行動を起こしたとしても続かない人(書籍では「燃え尽きる」という表現になっています)の違いは、「自己犠牲的」であるか「他者志向」であるかによるということです。

自己犠牲的。本当は帰って本を読みたいのに、メンバーが明日提出の企画書がまだできていないために心の中ではボヤキながら渋々付き合っている。
他者志向。帰宅後は楽しみにしていた本を読もうと思っていたが、企画書が上手く出来上がって明日のプレゼンが上手くいくメンバーの笑顔を楽しみに手伝っている。

自己犠牲的。マネージャーである自分がオフィス内の掃除をするのではなく、下の者がちゃんとすべきだと本音では思っているが、率先垂範を常日頃謳っているのでやらないわけにはいかない。皆も私がやっているのを見れは、もっと考えてくれるだろう。
他者志向。随分とオフィス内が散らかっているが、昨日は片づける暇もなく遅くまで頑張っていたのかもしれない。皆が今朝も気持ちよくスタートを切れるように、今のうちに綺麗に掃除をしておいてあげよう。

自己犠牲=我慢。忍耐。
他者志向=喜び。楽しみ。

私はこんな風に位置づけました。
常日頃、「我慢は続きませんから、我慢はしないで。」とコーチングや研修の場でお伝えしていますが、まさに、我慢=自己犠牲と考えると、自らを犠牲にして行うことなどそもそもが苦痛を伴うであろうもので、長続きするわけがありません。
そうではなく、今やっている事の結果が相手(世間)にどんな良い影響をもたらし、それを自分の楽しみ・喜び・嬉しさに結びつけることができてこそ、続きもするし、更にもっと行動しようという気になるのでしょう。

メンバーに対して、家族に対して、コミュニテイー活動の仲間に対して行っている何かしらの「与える」行動が苦痛や困難と感じることがあるとしたら、それはもしかしたら自己犠牲の下に行われているからなのかもしれません。

東京から実家のある四国へ片道830kmの道のりを車で帰ると告げると誰もが一様に、「大変なのに~。いくらワンちゃんの為とは言ってもね。」とおっしゃいます。
飛行機の貨物室に預けたくないので車の助手席に乗せて車で帰るのですが、これを私は「苦痛」「忍耐」と感じたことはただの一度もありません。ワンコを暗く冷たい貨物室へ預けて一人ぼっちにするのではなく、多少時間はかかっても一緒に楽しくドライブを楽しむ方がワンコも安心に違いないし私も楽しいと思っています。ですから、先代ワンコの時代から、もう20年近くも帰省時には車での往復を続けています。つまり、私はワンコのために長時間運転という自己犠牲を自らに課しているのではなく、喜んで他者(犬)志向で車で帰るという選択を行っているのです。ですからそこには苦痛や忍耐はなく、燃え尽きるという言葉も存在しないのです。

しかしかつて、メンバーの提案書づくりに付き合っていた時、「自分の時間をわざわざ割いて付き合ってあげている」という自己犠牲的感情がありました。ですから、それが度々だったり、何人ものメンバーへの対応が続いてしまった時にはイライラが募って機嫌が悪くなったり、それらを何とか我慢しようとして不自然にひきつった笑顔になったりしたものです。

自己犠牲ではなく他者志向の感情になる。そこに至る方法は人それぞれでしょう。
しかし唯一言えることがあるとすれば、「『楽しみ』や『喜び』をどこに見い出すことができるか」ということではないでしょうか。
そして、それらはちょっとしたトレーニングで誰もが見つけることができるようになり、更に、最初は時間がかかったとしても、次第に簡単に見つけられるようになるということです。

同じ「する」なら誰だって、苦痛や忍耐よりも楽しみや喜びの方が良いに決まっています。
自己犠牲ではなく他者志向へ。
マネジメントを楽しむ考え方であると共に、生きることが楽しくなる考え方でもあると思います。

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