「幸福とは、1つ目は人に愛されること、2つ目は人にほめられること、3つ目は人の役に立つこと、そして4つ目は人に必要とされること」

これは、理想の会社をつくるたった7つの方法 (日本でいちばん大切にしたい会社・サーベイ編)の中に書かれている事です。
この本には、「良い会社」「理想の会社」をキーワードとして、いくつかの企業を例に挙げながらその取り組み事例を紹介しているのですが、その根本には「働く人が幸せでいられない会社で良い仕事ができるわけはなく、結果としてお客様へ良い仕事を提供できるわけがない」という考え方が流れています。

先日、大手メーカーの元社長Aさんにインタビューさせていただいた時の話です。
Aさんは、一にも二にも「お客様のため」と会社を再生させた方なのですが、「社員の幸せとか考えたことは一度もない。とにかくお客様のことしか考えていなかった。ES(従業員満足度)ファースト、次がCS(顧客満足度)という考え方があるのは知っているけど、僕にはそれがピンとこないんだよね。」とおっしゃるのです。
実際Aさんは、ブラック企業だと揶揄されそうな厳しい命令も下したりしていたそうです。
ところが、当時のAさんのメンバーだった方々にお話を伺ってみると、皆一様に、「Aさんのお陰で人生が変わった」「Aさんの下で一緒に働けたことが今も一生の宝となっている」と掛け値なしでAさんと共に過ごした時間を大切に思っていたのです。

社員の幸せ何て全く考えていなかったというAさんの下で働いていたメンバーたちは、皆、幸せだったと口を揃えて言っている。不思議に思って更に伺っていると、Aさんはあの「理想の会社・・・」に書かれている「人が幸せと感じる4つのこと」をしっかりと実践なさっていたのです。

1.愛されること⇒メンバーを共に戦う同志として大切にし、チームの輪を重んじる。
2.ほめられること⇒年齢や性別、正社員やアルバイトという枠にとらわれず、その人の役割をしっかりと果たした人は評価し、引き上げ、昇級昇格の交渉も人事に必死で掛け合うなど、メンバーの仕事の成果を目に見える形で評価していた。
3.人の役に立つこと⇒メンバー一人一人の役割を明確にし、その仕事に意味付けをすることで、「こなし」仕事から「意味・意義のある仕事=お客様の幸せに繋がっている仕事」をしていると全員が心から思えるようにした。
4.必要とされること⇒それぞれの役割がチームや会社の何に誰のサポートとなっているかを理解することで、互いが互いを必要とするチームの空気を醸成した。

「理想の会社とか、良い会社とか、そんなの綺麗ごとだよ。ビジネスはそんなに甘くない。」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
かつては私もそう思っていました。現場の苦労を知らない人の世迷言くらいに思っていました。現実はもっとドロドロしていて醜いのだと。

しかし、お客様の幸せへの貢献なくして自らのビジネスの発展が成り立たないという事に異議を唱える人はいないでしょう。(とにかく儲けられれば後は知らないという悪徳業者なら話は別ですが)
そのお客様への貢献を誰が行うかと考えた時、それは「人」なのです。
経営者ひとりが為せることではありませんし、AIだけができることではありません。
鶏が先か卵が先かの論争になりそうですが、お客様への貢献を考える時、社員がくたびれていたり荒れ果てていては実現は不可能です。やはり、ESが先なのではないかと私は思います。

AさんはESがCSに結びつくとはどうにも考えづらいとはっきりおっしゃっいました。
それは、「満足」「理想」「良い」「幸せ」などの言葉による感覚的弊害なのではないかと私は思います。

理想の会社をつくる第一の条件。社員が幸せであること。
「社員が幸せ」と聞くとアレルギー反応を示す方がいたとしても、「メンバーを大切にする。ほめる。人の役に立っている貢献感、必要とされている感を与える」という事にそれは違うと反論する方はいらっしゃらないのではないでしょうか。何故なら、それらはリーダーとしての人材育成、チーム作りの基本中の基本だからです。

理想の会社をつくるたった7つの方法 (日本でいちばん大切にしたい会社・サーベイ編)にはマネジメントに必要な大切なエッセンスと自らを振り返ることができる大きなヒントが山盛りの書籍だと思います。
「理想の会社」という表現にアレルギーがある方も、是非、一度読んでみて下さい。
きっと、沢山の気づきと学びを得ることができるに違いありません。

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