銀行や郵便局、区役所や病院などの公共機関には(かつて私が勤めていた会社にも)、順番待ちの番号札を発行する機械が置いてあります。さらにはその機械の前にわざわざ社員を配置しているところもあります。
この機械の前にいる人、銀行ならばフロアマネージャーらしき方、役所は女性職員の場合が多いのですが、もう随分と前からこの方たちに、「あなたの仕事は何ですか?」と質問してみたい感情に襲われることが多くありました。

先日も都内某所へ出かけて発券機の方へ向かうと、その機械のちょうど真ん前に職員と思しき制服を着た女性が立っていました。発券機画面の真ん前に立ち塞がるように立っているため、こちらから画面をタッチすることはできません。
「すみません」と言って私が手を伸ばして画面に触れようとすると、「ご用件は?」にこやかな笑顔でその女性は私に質問しました。
忙しい時間の合間を縫って訪れた勝手知ったる場所で少しでも時間を節約したかった私は、この質問に「またか・・・」とうんざりしてしまいました。
「〇〇〇です。」と私が訪問の目的を告げると、その女性はまたしてもにこやかな笑顔で私のうんざりに追い打ちをかけるように尋ねます。「こちらの用紙はもうご記入済みですか?」
沢山の順番待ち。先に番号札を受け取ってから待つ間に記入しようと思っているのに、毎回のこのやり取りに、しかも満面の笑顔での問いかけに、少しムッとしてしまいました。
「こんなにたくさん並んでいるので、先に番号札を欲しいのですが。」
すると女性は発券機の前に立ち塞がり、更に笑顔で言うのです。
「先に用紙をお書きいただけますか。お書きいただいた後に番号を発行します。」

毎回のこのやり取り。この場所だけなのか・・・。いえ、多くの異なる場所で、これと似たような事を経験しています。

私は彼・彼女たちに問いたいのです。
あなたの仕事は何ですか? 
番号札を発券することですか? 
あなたが発券機の前に立っているその目的は何ですか? 
あなたが発券機に立ち塞がってでも自分が番号札を発行するその意味は何ですか?

どんな仕事にも目的があり意味があります。
でも、その目的や意味が自分都合になっていて、相手都合を全く無視していないか、その事について考えてみることが大切ではないでしょうか。

無駄なエネルギーを浪費させることを避け、結局は言われた通りに先に用紙を記入し、その後、女性が押した画面から発行された番号札を受け取っての待ち時間は約10分。10分も待たなければいけないのであれば、記入が先でも後でもたいした時間的差異は実際にはあまりないでしょう。
しかし、私が言いたいのは物理的問題だけでなく、気持ちの問題なのです。
そしてこれは、発券機の前にいる人だけの問題ではなく、すべての人、すべての仕事に通じる問題だと思うのです。

あなたが今行っている仕事の目的、意味は何ですか?
それは自分勝手な独りよがりの目的になっていませんか?
その目的や意味は、関わる相手の気持ちや考えを尊重してのものですか?

私たちが関わる「人」は物理的メリットを求めると同時に「心」の充足も求めるのです。
AIには難しくても人間だからこそできる相手の心を満たす行為。
相手の「心=気落ち」を無視した独りよがりの目的や意味づけにならないよう、十分に気をつけたいものですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です