「私、ADHDなのでダメなんです・・・」と言うメンバーのNさん。

「そっか。ADHDはNさんの一部なんだね。けど、ADHDはNさんの全部じゃないよね。すっごい頑張り屋さんだったり、思いやりがあったり、子供が大好きだったり、研究熱心だったり、英語が得意だったり、それらもみんな、Nさんの一部だよね。いろんなことがた~くさん集まって、Nさんが出来上がってるんだよね。」
私がそう言うと、Nさんはキョトンとして大きなその目を更に大きく見開き、次の瞬間、ポロポロと大粒の涙を流しました。

「私、以前、とんでもない大きなミスをしたことがあって・・・。『前科一犯なんだから』って前の上司にはいつも言われていました・・・」
と涙と鼻水とでぐしゃぐしゃになった顔で続けるNさん。

「そっか。過去の大きなミスはNさんの一部。けど、今、頑張って出始めている成果もNさんの一部だよね。どっちも一部で全部じゃないよね。いろんなことがあって、今のNさんなんだよね。」

私がそう言うと、Nさんの涙は嗚咽に変わり、それ以上はもう話を続けることができなくなってしまいました。

私も過去にはたくさんの失敗があります。
成功と失敗とどちらが多いかと尋ねられたら失敗の方が多いかもしれません。
たった一つの小さな失敗が自分の全てのような気がして、暗くふさぎ込んでしまい、何もできなくなってしまった時期がありました。
「もう私の人生はこれで終わった。もうだめだ。死んでしまいたい。」
こんな私でもそんなふうに考え、自分を全否定してしまっていたことがありました。

それでもある時、ふと思ったのです。
「今回の失敗は自分の至らなさから起こってしまったとんでもない大失態だけど、言い訳するなんて卑怯だけど、事実を素直に受け止め、自分の弱さや愚かさやそういうものも全て受け入れ、そこから前へ進めばいいんだ。
今回の失敗は私の人生の一部であって、人生の全部じゃない。それで自分を全否定することはないんだ。
他人が興味本位であれこれ噂話をしてみたり、悪意のある物言いをしてきたり、正義感を振りかざして批判をしてきても、そんなことはほっとけばいい。だって、それが私の全てではないんだから。」

その頃の辛く苦しかった気持ちを思い出し、私もほんの少し鼻をぐずらせながらNさんに言いました。

「『気にするな』と言うのは難しいかもしれないけど、あれこれ言う人は暇な人だと、可哀想な人だと思って相手にしなければいいよ。この世の中に完璧な人なんて一人もいないんだから。少なくとも私は大失敗、たくさんしてる。これからもきっとするかもしれない。けど、それは挑戦した証拠だから。ADHDだってNさんの一部。緊張すると声が出なくなったり過呼吸になるのは私の一部。どっちもただの特徴であって全部じゃない。あれこれ言う人はほっとこうよ。一生懸命な人はそんなこと言っている暇なんてないんだから。ね?!」

良いところもそうでないところも、どちらもあなたの一部であって、良いが全てではないし、そうでないところが全てでもないのです。
いろいろあってあなたが出来上がっている。
失敗して落ち込んでいる時や、大成功して得意絶頂の時など、特に肝に銘じておきたいと思います。

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