巧詐不拙誠 こうさはせっせいにしかず

意味:巧みに偽りごまかす「巧詐」よりも、拙くとも誠意を尽くして相手に向かう「拙誠」の人のほうが、ずっと相手には響く。

毎年新規営業件数ダントツ1番の営業担当Aさん。
彼の新規獲得率は桁外れにずば抜けており、営業成績も常にトップクラスでした。
毎年毎年、新規のお客様で溢れているAさん。
しかし、お客様の総数は毎年ほとんど変わりません。
なぜなら・・・・
新規獲得率ダントツNo.1ですが、お客様継続率はダントツの最下位だったのです。
つまり・・・
ほとんどのお客様は1年ぽっきりで終わり。翌年もAさんに仕事を発注してくれるお客様はほとんどいなかったのです。

そう。Aさんはまさに「巧詐」の人だったのです。

かたや、新規営業がとても苦手なBさん。なかなかうまくいきません。
しかし、Bさんの既存のお客様の継続率はほぼ100%。
おまけにそれらのお客様は皆、Bさんの大ファンで、Bさんを信頼して新たなお客様をご紹介くださるのです。
ご紹介いただいたお客様にも丁寧に誠を尽くすBさん。
器用な物言いは苦手なようですが、着実にBさんのファンを拡大していき、数年後にはAさんを凌ぐ営業成績になっていました。

Bさんは「拙誠」の人だったのです

Aさんのお客様がたった1年でAさんから離れていくということは、すなわち会社の評判も同時に下げているということに他ありません。
Aさんが継続できなかったお客様に別の営業マンCさんやDさんが営業訪問に言った時、「あなたの会社とは金輪際付き合わない!口先ばっかりで信用できない!」とお叱りを受けて帰ってきたそうです。
またある時、Aさんが以前担当していたお客様に国税庁の査察が入り、対面調査として会社にも国税の人がやってきました。脱税幇助の疑いがあるとのことでした。
言葉巧みに営業をしていたAさんでしたが、彼の「巧詐」が会社の信用を大きく失墜させてしまう大事件に発展してしまったのでした。

Bさんが転勤した後、そのお客様を引き継いだCさんとDさん。どのお客様を訪ねても笑顔でにこやかに迎えてくださり、今の会社で仕事ができていることに誇りを感じたということです。

それまで格好良くスマートに仕事をしていたように見えたAさんを尊敬していたCさんとDさんでしたが、上っ面の見せかけだけのメッキはすぐにはがれて落ちてしまうことをAさんからの引継ぎで痛感し、それよりも、営業として、人として真に大切なのは真心・誠であり、そこには格好良い、悪いは無関係なのだということをBさんからの引継ぎで学んだのでした。

巧詐不如拙誠(こうさはせっせいにしかず)

ちょっとマズいと軽い気持ちで取り繕ったり、窮地に陥った時は下手に言い逃れをしようとしたり、ついついそんなことを誰もがしてしまいがちです。
その場を取り繕い、巧みに言い逃れができたとしても、必ずいつかは相手に知れるところとなり、二度と信用を回復することはできなくなってしまうのです。
そうではなく、格好悪くても、みっともなくても、正直に向かい合い誠の心を尽くす方が、はるかに人として信用できるというものです。
常に「誠」の人でありたいですし、「誠」の人を大切にしたいものです。

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