「何回言ってもなおんないんだよね・・・」
「何度も注意しているんだけど、言ったこと、やらないんですよ。」

こんな嘆き(ボヤキ?)をマネージャーさん達からよく聞きます。
そうだよね。やってほしいよね(本当にやっていないならば)。直してほしいよね(今が間違っているならば)。
そう応答しながらも、次に私はこんな意地悪な質問をしてみます。

「それで、行動するのは誰?」
何をバカなことを質問するのかと言わんばかりの表情でたいていのマネージャーさんはこう言います。
「本人ですよ。メンバー本人!」

そうだよね。メンバー本人だよね。やるのもやらないのも決めるのはメンバー本人。
「そうですけど、やった方がいいに決まってるから言ってやってるのに!」

出た~~~。言ってやってるのに。〇〇してあげているのに。あなたのために。

私がこんな風に言うと、皆さん、怒ったように私を睨みつけます。
「本人のためを思って指導しているのに、何がいけないんですか?!」

まるでかつての自分を見ているようで、笑ってしまいたいのを抑えながら神妙な面持ちで私は続けます。

メンバーの成長を願うのも、心配するのも、いろいろなアドバイスや指摘をするのも何も悪いことはない。必要なこともたくさんある。
そこまでは間違っていないと思う。
けど、あなた自身が今、腹を立てている本当の理由は、「あなたが言ったことをやらない」という事ではなく、相手を思い通りにコントロールできなかった事実に腹を立てるんじゃない?
メンバーなんだから自分のコントロール下にいるはずなのに、それができない。だから怒ってるんじゃないのかな?
メンバーを思い通りにしようとするのは間違っている。それがどんなに正しい必要なことでも、決めるのはメンバーなんだからね。
その思いを手放さない限りはメンバーもあなたも苦しいままだと思うけどな。
本当に伝えなければいけないことで、やってもらわなければいけないことならば(コンプライアンスに反するとか組織やお客様に多大な迷惑・損失を与えてしまうとか)、ただ一方的に伝えるのではなく、伝わるように伝える。伝え方を工夫する。こちらの伝えやすい伝え方で一方的に伝えるのではなく、相手が受け取りやすい伝え方で、それが少しずつであったとしても、キャッチボールのようにちゃんと伝えていくことが必要だよね。

仏頂面で聞いているマネージャーさん。物凄い勢いで反発する人もいれば、黙りこんでしまう人もいます。
しかし、核心部分は外れていないはず。
私たちの悩みの大半は、「自分で直接には思い通りにできないこと=コントロールできないこと」に対してだからです。
「あなたのためを思って言っている」のかもしれませんが、その思いを押し付けて、こちらの言うとおりに行動してほしいと願うのは違うのです。

手放しましょう。その思いを。ぎゅっと握った手のひらを、ゆっくり開いて手放しましょう。
メンバーは感情と意思を持った一人の人間。
どんなに小さな子供でも感情と意思を持った一人の人間。
自分以外の誰かをあなたの思い通りにしたいと思うこと自体、間違っているのです。
それがどんなに相手のためであっても、正しくてもです。

不思議なもので、無意識であっても相手をコントロールしようとする思いは目に見えぬ怪しげな力となって相手に伝わるようです。
それを敏感に察知した人は、嫌悪感や拒否感を抱いても不思議ではありません。
誰しも人からコントロールされたいとは思っていないですからね。

相手をどうこうしたいという思いは全く皆無で、真に成長を願ったり心配したりしての純粋な思いや声は、ちゃんと相手に届くものです。
仮にこちらが言ったとおりの行動を相手が選択しなかったとしても、こちらの思いはちゃんと届いている。
ですから、何かしらのレスポンスが返ってくるのです。

他人を何とかしたいという思いは手放しましょう。
メンバー、上司、関係機関の人、子供、妻(夫)、親、兄弟姉妹、近所の人、友人・・・
あなたのコントロール感が強ければ強いほど、その関係性は本当はあまり良くないのではないかと思います。
その思い、手放しましょう。
それだけで、あなたの心配や悩み、迷いの多くはきっと消えてなくなってしまうことと思います。

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