「電話で話せますか?」と友人から突然ラインで連絡がありました。
普段、こういうことは彼女からはないので、「あ、あの事で何かあったのかな・・・」と思いました。
「あの事」とは、彼女が今、「人生をかけて頑張る!」と宣言して取組んでいる新規ビジネスの事です。

「いいよ」と返信して30秒と経たないうちに電話が鳴りました。
「AとBではどう感じますか?」
ストレスフルな心理状態を必死で抑えようとしたいつもとは異なる彼女の低くくぐもった声に、内なる怒り・イライラのようなものを感じました。

しばらく彼女の話を聞き、私からもいくつか質問し、だいぶ冷静になった彼女に尋ねました。
「それで、どうしたいのかは分かったけど、そこへ向けて、一番困っていること、解決しないと先に進めないボトルネックになっていることは何?」

「『ダメ』とだけ言われても、どこがダメなのか、彼(ビジネスパートナー)が何を考えているのかが分からないこと。私だって自分が完璧だと思っているわけじゃないし、違うところは直して少しでも良いものを創り上げたいと思っているけど、彼がダメというポイントが分からなくって、だから直しようがなくって・・・」

「それをそのまんま、彼に伝えたら?『ダメ』の中身を教えてほしいって。そこが分からないから困っているって。私に言ったまんまを彼に言ってみたらどう?」

「え?」
そう言って少し考えた彼女は明るい声で言ったのです。
「今、気がつきました。どうして上手くいってなかったのかがわかったような気がします。私は彼に『どこがダメ?』と質問しているつもりでも、その問いかけ方が彼には全く響いていなくって、だから『ダメ。どうすれば良いかは自分で考えろ。』としか返ってこなくてカチンと来てたんだけど。こちらが欲しい答えを引き出したいのなら、その人に適した質問の仕方を工夫した方がいいということですよね。」

「あらま!優秀な生徒さん。」ふざけて私は言いましたが、これ以上、私があれこれ言う必要はないと思い、あとは彼女の話をひたすら聞きました。

彼女はもともととても気遣いができる女性で、おそらくビジネスパートナーのことも尊重して立てながら仕事をしてきたはずです。
しかし、「人生をかけた仕事」ですから、いつの間にか彼女にも力が入り、また当然、パートナーの彼の方も必死で取り組んでいる事業ですから、本来ならばより密に微に入り細に入り話し合い理解し合わなければならないところがそうではなくなってしまい、気がつかない間に意思疎通が難しくなっていたのかもしれません。

どちらが歩み寄った方が良いということではなく、ともに同じ道を歩み同じゴールを目指す同志なのですから、気がついた方が歩み寄れば良いのです。
彼女は賢い人ですからそんなことは私がわざわざ言わなくてもわかっていました。
「私がもっと、彼が答えやすいように話を持っていけば良かったんですね。早速やってみます!」

明るい声でそう言って、彼女は電話を切りました。
どよーんとした暗雲が立ち込め、大雨がひとしきり降った後、すっきり晴れ渡った青空になった。
彼女との電話はそんな時間でした。

自分はどうしたいのか、一番困っていることは何か、問題のボトルネックは何なのかをしっかりと見極めましょう。
今回のボトルネックは彼とのボタンの掛け違いでしたが、そんなことは誰にでもあります。
「あれ?おかしい?」と思ったらすぐに確認しましょう。
「聞いても答えてくれない」と思ったら、「どう聞いたら答えてくれるかな?」と考えてみましょう。
あなたはゴールに向かって進むためにボタンをちゃんと定位置に止めたいし、質問の答えを手に入れたいのですから、そのためには何がベストかを冷静に考え、必要な行動をすれば良いだけなのです。

何も難しいことはありません。
私は彼女がそれを考えるお手伝いをしただけなのでした。

人って素晴らしい。
人ってあったかい。
人っていくらでも輝ける。
人って本当に無限の可能性を秘めている。
彼女が人生をかけて取組んでいるビジネスに光あれ!

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