2学期の始業式を前日に控え、宿題の追い込みに必死なMくんのおばあちゃまが苦笑いしながら言いました。
「まだ自由研究と読書感想文と、大物が残っていて、半べそかきながらやってるわ。」

「私も宿題はお尻に火がつかないと出来ないタイプでした。けど、図画工作とか、お習字とか、提出が最初の授業の時でいいものとかは、まだ余裕あると思って、2学期入ってから慌ててやってたりしましたけど。」
私が子供の頃を思い出しながらそう言うと、Mくんのおばあちゃまが今時事情を説明してくれました。

「今はね、そういうわけにはいかないのよ。『宿題袋』というのがあってね、提出しなければいけないものが一覧表で一つずつチェックできるようになっていて、全部、始業式の日にそれに入れて出さなきゃいけないのよ。」

なんとまあ、面倒見の良い事か!驚きです。

「親は助かるのよね。何が宿題で出てるかわかるから。昔は子供が『ない』と言ったらそれまでだったけど、今は、子供が覚えていなくてもそれ見たらわかるからね。」

仲良しのMくんおばあちゃまだったので、私は思ったことを言ってしまいました。

「それって、誰のための、何のための、宿題袋なんでしょう?
私たち子どもの頃は、お友達同士で『図画は最初の授業の日の提出で良かったよね?』とか『算数のドリルは〇〇ページまでで、あと、プリントとで全部だったよね?』とか、お互いに確認し合ってましたけど。そうやって自分の記憶で間違いないかを確認したり、友達と助け合ったり。
たまに、宿題出てること忘れてる子もいて、常習犯の子はお節介だけど、誰かが教えてあげたり。
それでも始業式に忘れてきちゃう子もいて、でもそれはそれで、そこからその子もクラスメートも何かを学んだり。
何でもかんでも手取り足取りって、どうなんでしょうかね。
子供をどんどんバカにするような気がするんですけど。」

「本当にね」と笑うMくんおばあちゃまに、ますます調子に乗った私は続けました。

「なんでもかんでもお膳立てされた事しかできない子だと、大人になった時に困りますよね。
失敗させないことが教育ではなくて、失敗から何を学ぶかが教育だし、失敗を防ぐためにみんなで互いにどう助け合うかも教育だし、そういうことが必要なんだと思うんですけど。
なんか、今時の学校教育、先生たちはとても大変なんでしょうけど、本当に、『何のために、それやっているんですか?』と思うことが山盛りですよね!
私は社会人の人材育成に関わらせてもらっていますが、今時の新入社員教育と20年位前の新入社員教育では、レベルが全く違いますもの。『え?そこからやらなきゃいけないの?』というレベルですもの。
どんなに頭が良くっても、肝心なコトが成長していないで社会人になるんでは、困ったものです。」

「ゆうたくんママ、文科省のアドバイザーになったら?」
と笑うMくんおばあちゃまの言葉に、
「本当にね、そうしたいくらいですよ!」
と真顔で答えた私です。

過保護は子供をダメにします。
過保護はメンバーをダメにします。
問題なのは、親が、先生が、先輩が、上司が、「自分は過保護だ」と気がついていないことです。

それは誰のためにやってるの? 何のためにやってるの? 本当に必要なこと? それをやるメリットは?デメリットは?
これを何度も繰り返し自分自身に問わなければいけません。
良かれと思ってやっていることが、結果として大切なあなたの宝の成長を阻んでしまうことがないように。

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