「最近の若い奴らは本当に価値観違いすぎてもう、お手上げ。『もっと稼いで豊かな生活したいと思わないか!?』と言ったら、『年収300万なら300万でいかに幸せに暮らすか、それが豊かということです』とか、役員に反論するんだよ。もう、やんなっちゃうよな。」

そう嘆く上場企業役員のKさん。

私は満面の笑顔でお答えしました。
「その反論した若手君。いいじゃないですか!全く、彼は正しいですよ。豊かさの尺度は物質的なものだけでないと彼は言いたいわけですよね。」

するとKさん。
「いや、わかってますよ、そんなこと。彼は間違ってない。けど、稼ぐことに興味を持ってもらえなかったら、会社でがむしゃらに仕事してもらえないじゃないですか!」

なるほど、そういうことなのですね。
もしかしたら、こんな風に考えている経営者、マネージャーの方は多いのかもしれません。
最近の若者はガツガツしていないので、なかなか扱いづらい。とか・・・。

頑張っただけ稼ぐことができた時代はそこに光が当たったのでしょう。
しかし、そういった時代においても、全ての人が稼ぐことのみに向かったわけではありません。
例えば私がそうです。
バブル前夜の時代に就職した私は、高いお給料やボーナスを手に入れたいのであれば、金融機関、生保損保証券などに就職した方が、業界全体の給与水準が低い良好会社などよりも遥かに高収入を得ることができました。
でも、私の「ツボ」はそこではありませんでした。

「今の若者」も、もちろん、稼ぎたい人もいるでしょう。けれでも、価値観がそこに向いていない人が多いことも事実です。
では、彼らは何を求めているのか。
それは物質的豊かさではなく精神的豊かさです。

この会社に役に立てている。
この会社にいると成長できる。
この会社で仕事ができることを誇りに思える。
この会社の仲間たちと共に過ごす時間(働く時間)は厳しくも楽しい。
この会社で出会った人たち(お客様、関係機関)から人生の様々を学べてありがたい。
等々。

つまり、仕事を通じて得られる報酬は金銭報酬とは別に精神的報酬があり、そこの充実を企業は図らなければ、言葉は悪いですが、札束やポジションだけで人を動機づけることなど、今の時代は到底できませんよ、ということです。

「精神的報酬ねぇ。うちの会社、できるか・・・」
と呟やくK役員。

そこで私はにっこりと笑って言いました。
「できないと、潰れますよ。間違いなく!」

「そうかもな。そうだよな・・・」
そう言ったK役員の目は、社内の風土改革に取り組む決意がいよいよ固まった、そんな本気の目をしていたのでした。

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