「55歳になるとキャリア研修があるんですけど、今日、それを受けてきて、モチベーション下がってしまい・・・。これからどうしたものかと思っているんです。」

大手企業の部長さん。
役職定年も55歳で、お誕生日を目前に控えてその日も間近とのこと。
会社の必須受講のキャリア研修受講当日に、たまたまた私と顔を合わせたことがきっかけとなり、堰を切ったようにその思いが溢れ出てきたようでした。

部長さんの口から出た言葉はこうでした。
「なんかね、『自分で自分の居場所見つけてよ。若手の邪魔にならないようにね。』的なメッセージが間接的に聞こえてきたんだよね。」

まさか、大手企業がそのようなメッセージを発することはないと思います。
しかし残念ながら、その部長さんはじめ、お仲間の数人にはそのようなメッセージに受け取れたそうなのです。
一体何がそうさせたのか・・・・

「役職とか報酬とか、そういった目に見える物理的な価値・幸福を得ることは難しいですが、これまで長年身につけてきたものを若手や会社に還元していくことで大きく貢献できる、精神的・気持ちの上での幸福感・達成感のようなものは、十分に味わうことができるでしょうし、そういった態度を先輩が示すことで、若手に語らずして伝えることができる無言のメッセージは、計り知れず大きなものがあると私は思うんですけど。」

私がこんな話をすると、部長さんは瞳を潤ませながら言ったのです。
「そういう話、これっぽちもなかったですよ。物理的価値・幸福ではなく、精神的・気持ちの上での幸福・達成感か。確かに、それが得られれば、自分自身はもっと前向きになれますよね。
けど、給与が下がるから、妻からは文句言われているんですけどね・・・」

「奥様も、物理的幸福感に目が向いてしまっているのかもしれませんね。精神的・気持ちの上での幸福感が満たされることで、物理的な事への目の向き方は変わってくるかもしれないですよ。
どんなに裕福な家庭の子どもでも、愛に飢えている子供は寂しいですよね。貧しくても親の愛情がたっぷり与えられている子は目が輝いています。大人だって一緒だと思うんですけど。」

「なるほど・・・・。確かに、妻も精神的・気持ちの上での充足・満足・幸福という点では、満たされていないのかもしれない。
でも、どうしたら・・・・」

「まずは、部長さん自身が精神的・気持ちの上での幸福感をしっかりと味わうことかと思います。幸せは伝染しますよ。」

こんな話を暫く部長さんと私の間で続けた後、最後に部長さんはこう言いました。

「うちの息子は大学受験に失敗して、希望校には進学できなかったけど、イキイキしてるんですよね。眩しいくらいに。金もそんなに持ってないし、派手に遊んでるわけでもないし、けど、好きなことして満たされているんでしょうね。
僕ら世代は物理的ものばかりを追いかけすぎたのかもしれません。これからは、気持ちの充足、目に見えないものをもう少し大切にしてみます。」

そう!
物理的なものに求める幸福感は、それらを手に入れることができなくなってしまった時に、その喪失感や失望感が計り知れず大きいのです。
一方、精神的・気持ちの上での幸福感はある意味、青天井です。
自分がどのように物事を捉えるかによって、如何様にもなるからです。(態度価値)

大切なことは、物事をどう見るか、どう捉えるか。そこから意味は生まれます。
役職定年を迎え、給与が少なくなってしまったとしても、捉え方によって、不幸ではなく幸せな気持ちを味わうことはできるのです。

あなたは今、目の前の出来事をどのように捉えていますか?

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