論語の衛霊公篇に次のような有名な言葉があります。

子貢問いて曰く、「一言にして以って終身之を行うべき者有りや。」
(子貢が尋ねました。「一言で生涯行う価値のある大切なことがあるでしょうか?」)

子曰く、「其れ恕か。己の欲せざるところ、人に施すこと勿れ」
(孔子が答えます。「それは恕だよ。自分にしてほしくないことは、人に押し付けないことだ。」)

後半の「己の・・・」が有名ですが、論語塾でこの章句を習って以来、私は「其れ恕か」のフレーズが強く心に残っています。

人生において人として大切なことは山ほどあります。
その中で孔子は「其れ恕か」と言い切ったのです。
恕とは思いやり、寛容などと言う意味がありますが、後に続いて「己の欲せざるところ・・・」と孔子がわざわざ続けたところに意味があるのでしょう。

例えば、仕事ができるリーダーは知らず知らずのうちに相手を言い負かしてしまったり、自分の意見を先んじて言うことで相手の発言を制してしまっていたり・・・。
だからと言って、相手がそこに納得しているかどうかは別物です。
相手に対する思いやり、尊重、繊細できめ細やかな心遣いが欠けていることで、期せずして相手を傷つけてしまうこともあるのです。

「恕」とは単に思いやりと言うよりももっと深い、「自分の心と同じくらい人の心を大切にすること」と孔子は言いたかったのかもしれません。

なかなか難しいことですね。
なんといっても誰しも自分が一番かわいいのですから。
それでも孔子は「其れ恕か」と言っています。

「恕」とはこういうもの。と考えるのではなく、Aの場合だったら自分ならこんな風にするという、行いは人それぞれです。
大切なことは相手を思いやる心。
自分と同じくらいに相手を大切に思う心。

そんなリーダーなら、マネージャーなら、メンバーはこの人と一緒に仕事をすることがとても楽しい!有意義だ!もっと頑張ろう!と思うのでしょう。

其れ恕か

一生大切に持ちづけたい言葉ですね。

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