昨年12月初旬、近所に住むワンママ友Tさんのお宅が不幸にも全焼してしまいました。
その日は朝から消防車が沢山走ると思っていたのですが、まさかTさんの自宅に向かっているとは夢にも思っておらず、夕方、別の友人から話を聞いた時には驚きのあまり声になりませんでした。

偶然にもその直後、寒空の中を自転車で走るTさんにバッタリ出会いました。
いつも穏やかは笑顔のTさんですが、その日ばかりは違いました。
焼け出されてしまったので、その日の夜は、家族が皆バラバラで知人・友人宅に寄せてもらうことになったとひきつった笑顔で気丈に話すTさんに、私はただ、「できることは何でもするから」と支援を申し出ることしかできませんでした。

家族4人と犬2匹、猫3匹のTさん宅。
介護の仕事をしているTさんはご近所でも顔が広く、大変なことがTさんに起こったという噂はあっという間に広まりました。
するとどうでしょう!
次から次へと支援の声が大きくなり、火災当日と翌日の2日間こそは家族バラバラだったのですが、3日目の朝にはTさんに、リフォームしたばかりで家財も全て揃っている一軒家を無償で使ってほしいという申し出があったのです。

いつもTさんにはとてもお世話になっている。
いつも明るく声をかけてもらっている。
Tさん一家が大変な時に、自分たちが今度は助けないでどうする。
普段のTさんの小さな行いの積み重ねが、この時とばかりに一気に善意の恩返しとなって彼女と彼女の家族&ワンコ・ニャンコに返ってきたのです。

私たちは皆、彼女の人柄をよく知っているので特に不思議にも思いませんでした。
一番驚いたのはTさんのようでした。
「なんだか本当に申し訳ない。みんな本当にありがとう。」
泣き笑いするTさんに私たちもつられて泣いたり笑ったりでした。

Tさんは、いつも誰かのために走り回っているような人です。
ニコニコ笑顔を絶やさず、人の悪口を聞いたことも私はありません。
話が長くてみんながついつい会話を避けてしまうおばあちゃんにもよく付き合ってあげているし、おむつから尿の臭いがもれてくるおじいちゃんにもいつも笑顔で接しています。
小さな子供からお年寄りまで、みんなTさんが大好き。
だからTさんがピンチの時、みんなが一斉にTさんのために立ち上がったのでした。

幸いにも火災保険の申請も驚きのスピードで通り、新たな年を迎えると共に、Tさんの生活も良い方向へ前進しているようです。

目先の損得ではなく、常に誰かの笑顔のために、誰かの喜びのために行動しているTさん。
簡単に真似できることではありませんが、彼女の生き方に、人として最も大切なことを改めて垣間見た気持ちがします。
Tさんが身近な人の笑顔・喜び・幸せのために常に奔走しているように、私も身近な人の、そして働く人たちの笑顔・喜び・幸せのために、自分を使っていく覚悟を一層強くしたのでした。

あなたには、地位や権限、名声などに全く関係なく、あなたが究極に困り果てた時、無条件に救いの手を差し伸べてくれる人はいますか?

あなたが今のポジションを離れた時、今の会社を離れた時、今と全く変わらずに慕い、共に助け合うことができる仲間はどれくらいいますか?

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