デイケアサービスの施設へ母と見学に行った時のことです。
私と母を笑顔で迎えてくれた所長さんが、ソファーに腰かけた母の耳元に向かっていきなり大きな声で「こんにちは!」とおっしゃいました。
大きな声に驚いた母は体をのけぞらせ、思わず不快な表情をしてしまいました。

「あのぉ・・・ 母は耳は遠くないので・・・」

自己紹介も済まないまま私がそう伝えると、所長さんは苦笑いしながらおっしゃいました。

「ああ、そうでしたか。ここは耳が遠い方が殆どなので、ご年齢からしてもそうかなと思って。」

所長さんはご自分の思い込みを素直に詫び、その後は丁寧に施設の説明をしてくれました。

思い込み
私たちにはいろいろな思い込みがあります。

お年寄りは耳が遠い。 いえいえ、私の両親は、聴力は殆ど衰えていません。
新入社員はやる気に満ち溢れている。いえいえ、かつての同期は配属がイヤだと、入社3か月で辞めてしまいました。
日曜の夕方はサザエさん症候群でサラリーマンは憂鬱になる。いえいえ、私は会社へ行くのが楽しくて、日曜の夕方になるとテンションマックスの時代がありました。
あの子はいっつも言い訳をする。いえいえ、あの時の彼の言い分は言い訳ではなく、本当にそれが事実であり、こちらが考慮すべき出来事でした。
また時間に遅れて、きっと寝坊したに違いない。いえいえ、その日、彼が遅れたのは寝坊ではなく、お子さんが急病で致し方なかったから。
自分は最近ついていないので、今回の商談もどうせうまくいきっこない。いえいえ、ついていないのではなく、準備不足や情報収集不足など、商談が成功するための必要十分条件を整えらえていないだけなのです。

思い込みは、過去の自分の経験や見たり聞いたり読んだりしたことをベースに自分が勝手に作り出したコトであり、それが必ずしも相手に当てはまるとは限りません。
にも拘わらず、私たちは思い込みによって時に大きな失敗をしたり、相手を不愉快にしたり傷つけてしまったりと、思い込みによる間違いからなかなか卒業できずにいたりします。(これ自体が私の思い込みで、「私はそんな失敗はしないし、思い込みもしない」という方ももちろんいらっしゃるでしょう。)

では、どうしたらその「思い込み」から解き放たれて、いつも新鮮な目で相手を見ることをできるのでしょうか?
それは・・・

「白紙にする(なる)」ことです。
どういうことかというと、「〇〇だから」と考えた時点で、それを白紙にする、手放す、ということです。それらの考えを一旦手放して、真逆の発想を敢えてしてみるのです。
そんなバカなことありっこない、と思っても、真逆の発想をしてみます。
そうすることで自分の思い込みに気づき、次第に思い込みの呪縛から解き放たれていくことができるでしょう。

ところで、思い込みにはポジティブなものもあります。
スポーツ選手などが「自分は絶対にできる!」と自信をマインドコントロールしている、アレです。
そう言った前向きな思い込みは否定するものではありませんし、必要な場面ではむしろあった方が良いのかもしれません。

あなたにはどんな思い込みがありますか?
どういう場面でその思い込みは表出しますか?
それは手放した方が良いものですか?
あなたのネガティブな思い込みが顔を出した時、どんなふうに真逆の発想をしますか?

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