先日亡くなられたドナルド・キーンさんが若き日に、日本文化研究者 角田柳作先生とのやり取りを記したそのニュースが心に響きました。

コロンビア大学の学部生だったキーンさんが角田先生の日本思想史の大学院授業の評判を聞き、受講登録をして臨んだその初日、なんと受講生はキーンさん一人だったとか。
恐縮して辞退しようとしたキーンさんに、角田先生は仰ったのです。

「一人いれば十分です。 One is enough. 」

(詳しくはこちらのサイトをご覧ください)

恥ずかしながら、私は角田柳作という人をよく知りませんでしたが、このニュースを耳にした後、彼が研究者として素晴らしかっただけではなく、教育者として、人としても素晴らしかったのだということがよくわかりました。

社内で新しい情報や技術を皆に共有しようとした時、参加者が少なくて「なんだよ、たったこれだけ?」「やる気あんのかなぁ」と思ったことが無いと言ったら嘘になります。
けれどもそれぞれに事情はあるし、メンバーが興味を抱かないのはそのような周知の仕方をしていないこちらにも問題があるかもしれません。
それよりもまずは、興味関心を持ってくれたメンバーに感謝するのが第一でしょう。
まさに、「ないものを嘆くのではなく、あるものに感謝する」そのスタンスです。

「僕一人だけで尾藤さんの時間を使うのは申し訳ないんで、今回は結構です。」
こんな風に遠慮して辞退を申し出るメンバーに、今度は私も言うつもりです。

「君一人でも十分だよ。」

2019年03月05日

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