紛糾する社内会議。
参加者15名の雰囲気はとても重苦しく、なかなか結論が出ません。
終了時間も迫り、これ以上話し合っても仕方ないと判断したリーダーは決を採るためにYesかNoかの判断をするようにメンバーに伝えました。
するとAさんがリーダーに質問ました。

「棄権ってありですか?」

驚いたリーダーがその意図を尋ねると、
「こういう場合、どちらとか言い辛いです。」
とのことでした。
「判断しづらい」「判断がつかない」ではなく「言い辛い」と言ったAさん。
検討事項に賛成した場合、それに強く反対意見を述べている普段から仲良くしているKさんに対して申し訳ない、という心が透けて見えました。

「いいですよ。」
時間に迫られたリーダーはそう答え、決を採りました。
Aさんともう1名のメンバーが棄権をしましたが、結果的には賛成多数で会議は終了しました。

会議が終わった後、リーダーは棄権を認めたことを後悔したようで、あの場合にはどうすれば良かったのかと私に相談がありました。

問題は棄権を認めたことよりも、棄権を申し出なければいけないメンバーの関係性です。
仲が良い事と反対意見を述べることは全く別物で、それを同じ土俵で考えるのは公私混同と同じです。
仲が良いから、普段お世話になっているからと、Kさんの意見に賛成しなければいけない、同調しないとマズイと思うのは、自分の意見や考えを持たない、または押し殺しているのと同じです。
果たしてそんな会議に意味があるでしょうか?
いえ、そういう関係性で良いのでしょうか?
仲が良かろうが、そうでなかろうが、相手との関係性に左右されることなく自分の意見や考えをしっかりと述べることができる安心の関係性こそがチームに求められるモノだと思います。

落ち込むリーダーですが、考えようによっては良かったのではないかと私はリーダーに伝えました。
AさんたちがKさんに勝手に気を使いすぎているのか、KさんがAさん達に対して実は少々支配的な面があるのか、その真実は分かりません。
しかしチームが健全な状態ではないことは、今回の棄権がハッキリと物語っています。

マイナスなことが起こったとしても、それをそのまま終わらせてしまうのではなく、そこから何かを掴んでプラスに転じていけば良いだけのこと。
そう考えれば、今回の棄権はチームの現状を知らせてくれたありがたい出来事だったとも言えます。

社内会議で棄権をするということはあまりないかもしれません。
しかしメンバー間で利益相反が起こり得るような内容の決を採る時、メンバーが誰かの顔色を窺っているとか、誰かの反応を見てからそれに従っているとか、もしそういう様子が見えたなら、それは関係性再考のシグナルかもしれません。

あなたは、誰の顔色を気にすることなく、自分の意見や考えを発信することができますか?
あなたのチームのメンバーはどうですか?

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