人の良いAさんは、自分がイヤだと思うことや止めてほしいと感じていることがあっても、それを口にすることができず、相手に合わせてしまいます。
先日も〆切に追われた仕事を残業時間に必死に取り組んでいるところ、そんなことは全くお構いなしに同僚のBさん達がすぐそばでテレビドラマの話に花を咲かせて騒いでいました。
仕事に集中することができずに焦るAさん。
しかし「静かにしてほしい」「おしゃべりはやめてほしい」とBさん達に伝えることができず、ただ我慢をしていました。
たまたまその場を通りかかったCさんがAさんから発せられているSOSサインに気が付き、「Aさん、追い込みだから、お喋りだったら他の場所でしてあげたら?」とBさん達に言ってくれました。
「ありがとう。私、あんまりそういうこと言えなくって・・・」
素直にお礼を言うAさんに、Cさんからストレートジャブがお見舞いされました。

「『言えない』んじゃなくって、良い人に思われたい、嫌われたくない、って思って『言わない』んじゃないの?つまりは『ええかっこしい』なんだよね、Aさんは。」

まさかそんなことを言われるとは思っていもいなかったAさんは涙ぐんでCさんに抵抗しましたが、Cさんから一層のジャブがお見舞いされました。

「あのさぁ、人にどう思われたいとかやめて、自分のままでいいんじゃないの?今のAさんて、周囲から見たら『良い人』でもなんでもなくって、『どうでもいい人』『誰にでも調子のいい人』に過ぎないんじゃないのかなぁ。嫌われたって、変な人だと思われたって、自分らしくいた方が遥かに良いと私は思う。そんな、自分を取り繕って『私、言えない・・・』とか言うの、そろそろ止めた方がいいよ。」

心の内を見透かしたようなCさんに返す言葉が全く見つからず、ただ下を向いて涙を流すだけのAさんでした。

どうしたら・・・

ノーと言えない理由は何かと考えた時、相手を傷つけたくないなどのもっともらしい理由がありますが、自分自身に対しては不誠実です。
ではなぜ、最も大切にすべき自分に対して不誠実な言動を取ってしまうのか。
それはそうしてまででも守りたい何か、つまりここでは嫌われたくない、悪く思われたくないという自己保身の感情が強く働くからでしょう。
そしてなぜ、嫌われたくないなどの感情が働くのかを突き詰めると、自分に対する自信のなさからくるのではないでしょうか。

けれども、自分に自信がある人などそうそういるものではありません。
自信を持つことが大切なのではなく、ありのままの自分を受け入れることが大切なのです。

Aさんの相談に私が伝えたのは一つだけ。
「今の自分を愛してあげようよ。今のままのAさんをAさん自身が一番好きになってあげようよ。」

他人に対してなかなか自分の考えを正直に言えないあなた。
他人からのリクエストにノーと言えないあなた。
それは「言えない」のではなく、突き詰めると、あなたが「言わない」のです。
その「言わない」理由がAさんと同じかも…と思うなら・・・

良い人になろうとか、嫌われないようにしようとか、そうではなく、自分自身を愛してあげましょう。
今のままの自分を受け入れてあげましょう。
あなたはあなたのままで十分に素晴らしいのですから。
偽りの自分を演じるのではなく、ありのままの自分でもっと自然体でいきませんか。

2019年05月27日

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