かかりつけ医からの紹介状を持ってより詳しい検査に母と行った大学病院。
予約時間を2時間半以上過ぎても、一体いつ呼ばれるのか全く分からず、過去に腰の手術をしている母は椅子に腰かけているのも苦痛になってきたのか、苦しそうな表情に変わってきました。
「すみません。あとどれくらいかかりますか?」と受付で尋ねると、ドクターに確認してくれ、「割り込んで次にするそうです。」と言われました。

それから少しして名前を呼ばれ、ようやく診察室へ入ったのですが、椅子に腰かけた途端、ドクターがこう言ったのです。

「大学病院でこれくらい待つのは普通なんですよ。僕は午後からだけで、もう10件以上新規予約の患者を診ているんですから!」

あっけにとられてドクターの顔をまじまじと見てしまいました。
その時、隣の処置室から子供の大きな泣き声が聞こえてきました。
待合室でも度々聞こえてきた子供の泣き声や叫び声。
「痛~い!いやだ~!」
あまりにも悲痛な泣き声に、「可哀想に。痛いんですね?」と私がドクターに言うと、返ってきた言葉はまたしても驚くべきものでした。

「痛くないですよ。ピン抜くだけですから。痛くしようと思ってやってるんじゃない。治してあげようと思ってこっちはやってるのに、本当にねぇ。」

すべての診察、検査を終え、手術日、術前検査日も決まって病院を出たのですが、私にはどうにも心にモヤモヤが残り、母に胸の内を明かしました。

「私が手術するんだとしたら、全身麻酔の手術であの先生に命預けたくないと思ったんだけど・・・。他に選択肢がないんだったら仕方ないけど、病院、変えない?」

すると母は厳しい表情でこう言ったのです。
「『10件以上診てるんですよ!』って、あれ聞いた時、昔、食品偽装があった会社の『私だって寝てないんですよ!』と言った社長を思い出した。『治してあげる!』ってのも違うよね。相手よりも自分本位なんだと思ったよ、あの先生は。うん、この病院、やめよう。」

命を預ける手術はもちろんのこと、ビジネスパートナーであれ、プライベートの仲間であれ、どんなに技術や知識が優れていようとも、信頼できない相手と共に何かをすることは、私の選択肢にはありません。

他者への優しさ・思いやり
他者への尊敬・尊重
謙虚さ
誠実さ  等々

どれだけ実力があるかよりも、まず人としてどうか ということです。

「けど、学生は可哀想だよね。隣にいた研修医の子とか。上司は選べないものね。」
ポソリと言った母の一言に、少しばかりドキリとしました。

他人の事を言う前に、私はどうかしら・・・

人のふり見て我が振り直せ
日々、どんなことからも多くの気づき、学びがあるものですね。

2019年06月05日

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