できないことが増えてきた父。
「できない」「わからない」⇒ 「やってあげる」「恥をかかせない」が母や私の中で当たり前になり、父が何かをする前に世話をやくことが当たり前になりました。

しかし母が長期入院することとなり、父の心の中で何か変化が起きたのか、「自分でやる!」「それくらいできる!」と主張するようになったのです。

例えば1日4回 両目に3種類の目薬をさすという、父にとっては難しい事案についても「自分でやる!」と言って譲りません。
私が手伝おうとすると著しく機嫌を損ねるため仕方なく見守るのですが、必死でやろうとしている父ができるようになるには、どんなサポートがあるのかと私も考え、目薬に①、②、③とシールを貼ったり、時間管理ができるよう一覧表を作ったりキッチンタイマーを用意したり、私がやった方がはるかに早いのですが、それでも父ができるための工夫を考えました。
すると、2回に1回は間違えるのですが、目薬を正しくさすという行為が少しずつできるようになってきたのです。

他にも少しずつですが好転してきたことがあります。
そんな父の変化を見ながら、私はとても大切なこと、とても大きなことに気がつきました。

過保護な親が子供をダメにする。
世話を焼く周囲が高齢者をダメにする。
過保護で世話焼きで失敗を恐れる(認めない)マネージャーがメンバーをダメにする。

父はできない。⇒ メンバーにはできない。まだ難しい。
父がやるより私がやった方が早い。⇒ メンバーがやるより私がやった方が早い。マネージャーの私がフォローした方が良い。
父のプライドを傷つけないよう失敗をさせない方が良い。⇒お客様に迷惑をかける前に私がやった方が確実で早い。

全く同じことが職場でも言えるのです。
どうしたらメンバーにもできるのか。
どうしたらメンバーのやる気を促進できるのか。
そこにエネルギーを割くべきなのに、真逆の方にエネルギーを使ってしまうことが多くのマネージャーに見られる現象です。
(かく言う私も、かつては物凄い過保護マネージャーでした・・・)

母の入院をきっかけに父の心に自律の小さな芽が芽生え、「自分でやる!」と心に決めて一生懸命努力している、それと同じように、メンバーの自律を促し、その芽を摘まないようにフォローする。
それこそがマネージャーとして大切なことであり、失敗しないようにあれこれ世話をやくことが仕事ではないのです。
そうではなく、どうしたらできるようになるのか、そこを考えるのがマネージャーのすべきことなのです。

テレビの視聴予約も何度も何度も私に聞きながら、それでもやり方を忘れてしまってリモコンを片手に何分間も苦戦していることも多々ありますが、何とか自分でやろうと頑張っている父。
私がやればものの2-3秒で済むのですが、代わりにやってあげるよりも、父ができるようになるまで根気強く、父に分かりやすく説明し、そして待ってあげることが今の私のすべきことです。

介護はマネジメントに通じることが実にたくさんありますね。
できないことにイライラするのではなく、できるように努力している姿に胸が熱くなる、そんな気持ちになれることを感謝しながら、父との時間をマネジメントの学習と思い、毎日を過ごしています。

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