ワークショップの間中、どちらかと言うと斜に構えた様子で
「俺には絶対無理無理!」
「そんな聖人君子みたいなこと」
という発言が多かったSさんが、
「俺、変わりたいんです!ワークの間に聞いた、〇〇や△△以外にも、アドバイスがあったらお願いします!」
と大きな体を二つに折り曲げて私の前に頭を深々と下げたのには私自身が一番驚きました。

人を見かけの態度だけで判断してはいけない。
話を聞いてみないと、その心の内を伺ってみないと、本当にその人が考え感じていることはわからない。
前に立っている私自身が一番大きな気づきと学びを頂いているのだなと思う瞬間です。

Sさんが間髪入れずに「変わりたいです!」と言ったその様子に心が熱くなりました。
もがいているんだな、苦しんでいるんだな、とそれがとても分かったからです。
周囲からも様々な指摘を受け、自分でもマズいと思いながらもなかなか変えることができないその行動。

「それをやっちゃった後、どんな気持ち?」
そう質問すると、Sさんは大まじめな顔でこう答えてくれました。
「その瞬間はスッキリ、やった!という感じです。」
「なるほど、その瞬間はね。それで?」
「後になって、ちょっと反省します。後悔というか・・・。」

「そう、後悔するのね?」
「はい・・・」
「うん、いいね。」
「???」
「じゃあね、毎回毎回、その都度、思いっきり後悔して。もう、これでもか!っていうくらいに後悔して。地球の裏側まで落ち込んで。スッキリとかやったとかなくなるくらいに、瞬間に落ち込んで、落ち込んで、どうしようもないくらいに後悔してみて。それをたーくさん味わって。」
「はあ・・・」
「大丈夫よ!私なんか、プロのコーチが匙を投げたほどのガチガチブラックだったけど、今は進化したと自分で胸を張れるもの。大丈夫、絶対に大丈夫。」
「俺でも大丈夫でしょうか?」
「絶対に大丈夫!変わりたいんだよね?だったら絶対に大丈夫!だから、この上なく後悔を味わって!」
「そんなんでいいんですか?」

人は苦痛や苦悩、痛み、苦しみなど、自分にとってウェルカムではない状況からは逃れたいと思うものです。
それは誰もが持っている自然の摂理。
だから、思いっきり後悔して苦しむのです。
そして苦しくて辛くてたまらなくなった時、そこから逃れるためには自らのネガティブな行動を手放すしかないこと、そして手放すためにはどんなやり方が効果的かをその時に考えるのです。

何もそこまでと思うでしょう。
ガチンガチンにこびりついた汚れはいきなりゴシゴシするのではなく、いったん汚れを浮かせて緩ませてから取り除くと思いのほか簡単に汚れを取り除くことができます。
人に染み付いた悪しき癖(汚れ)も同じです。
いきなり洗剤(手段)を使うのではなく、いったん汚れを緩ませてみる。
その緩ませるための行動が「ものすごーい後悔」です。

Sさんが理屈で納得したかは別として、私自身が強烈にこびりついた汚れを取り除くためにこの方法を自分で試して上手くいったことを話すと、妙に納得してくれました。
(そもそも、普通のコンサルタントやコーチは、こんなことを勧めたりはしないでしょう。)
まあ、考えようによっては、後悔は東洋医学の好転反応のようなものかもしれません。

今はまだスタートラインに立ったばかりのSさんですが、彼は必ず、彼が望む彼に成長する(変わる)ことができると私は信じています。
だって、彼は「変わりたい!成長したい!」と本気で強く望んでいるのですから。
その方法がわからないだけで、心から望んでいるのですから。
Sさんが理想とする姿に近づけるよう、私は精一杯のお手伝いをしたいと思っています。

2019年07月12日

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