「尾藤さ~ん おはようございます。昨日は失敗しちゃったので、今日は頑張ります!包帯蒔き直させてもらってもいいですか?」

「〇〇さ~ん ご気分はいかがですか? 昨日は点滴三回も刺し直ししちゃったんで、今日は一発で入るように頑張りますね。腕出してくださーい。」

母が入院している病院の看護師さん。
悪気は全くないのですが、思いっきり笑顔で明るい声なのですが、いつもこんな調子です。
「新米看護師さんの練習台にされてるのよ。もうちょっと口のきき方、気をつけてほしいわ。」
最初は口うるさい母が単に不満を言っているだけなのかと思っていたのですが、同じ病室の方々が一様に口にする「気が利かない」「安心できない」「信用できない」という言葉。
腕の良いドクター達の仕事の足を引っ張りかねない振舞いがとても残念でなりません。

昨日も「今日はリハビリは13時からに変更になりました~」と言われたので、母を見送ってから帰ろうと病室でお迎えを待っていたのですが、待てど暮らせどお迎えは来ず・・・
私も次の予定があるので13時半に帰りました。
「何時にリハビリ行ったの?」
と後で聞くと
「14時くらいかな。いつもそうよ。『遅れる』とか『もう少し待っててね』とかないの。『お待たせしました』さえない人もいる。」
「みんなそうなの?」
「ほぼ全員そうかもね・・・」

ある特定の個人だけが残念なわけではない。
母だけが不満に感じているのではなく、同じ病室の他の患者さんも、向かいのお部屋の患者さんたちも、多くの方達が同様に感じている。
つまり、Aさんが悪い、Bさんが問題、ではなく、病棟の体質だということです。
(他の病棟では違うと他から移ってきた患者さんがおっしゃっていたので、敢えて病棟と記しました)

みんな一生懸命に仕事をしていて、悪い人は一人もいません。
ただ、とても残念なのです。
ふとした言葉遣いが。不用意な行動が。
患者を不安にしたり不満を抱かせてしまうそれらの言動が、彼らの質を総合的に下げてしまっていることに全く気が付いていないことに。

とここまで書くと、
「じゃあ、言葉遣いの研修をしないと」とか「そういう言動の職員には注意を促すようにしないと」などと
本当にトンチンカンな対応をしてしまう組織が実はたくさんあります。
個人の問題ではなく組織の体質の問題。
人間で言うと、体質改善には日頃の生活習慣の見直しから始めて、食生活の改善、運動習慣をつけるなど、一朝一夕にできることではなく、しっかりと計画的に地道にコツコツと行っていくものです。
組織の体質もある意味同じです。
たった一回の研修や個人への罰で改善できるものではなく、抜本的な見直しが必要です。

私が苦虫をかみつぶしたような顔をしているのを主治医の先生がご覧になられたのか、苦笑いしながらおっしゃいました。
「尾藤さんの仕事だったら、色々あらが見えるんでしょうね。申し訳ない!」

先生は少なくとも分かっていらっしゃる。
救われた思いがしました。

あなたのチーム、組織は大丈夫ですか?
同じようなミス、クレームが誰に対しても色々な方から起こり得る。
それはすなわち、個人の問題ではなく組織のどこかに根本原因が隠れているということです。
そんな時には組織体質を真っ先に見直してみる。
個人に対する対症療法ではなく、体質改善の根本的対応が必要なのです。

2019年07月18日

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