「チーム対抗で高さを競ってください!」

マネジメント力やチームビルディングを目的としてワークショップでのチーム対抗グループワーク。
ワイワイと一斉に取り組みが始まると思いきや、あるチームの参加者が他のメンバーに言った言葉が私に耳に届きました。

「前の上司が言ってたけど、100点狙って失敗するよりも70点でいいから合格取った方がいいって。」
すると一人のメンバーがそれに大きく賛同し、そのチームは自然と70点狙いの取り組みになっていきました。
制限時間を2分以上残して取り組みは終了。
他のチームは最後まで悪戦苦闘し、結果的に成果はゼロだったところもありましたが、ギリギリで逆転1位にになったところもありました。
例のチームはどうかと言えば、時間を余して他のチームの様子伺い。
その時点で自分たちよりも上手くいっているチームを確認できたものの、
「1番は無理だけど、2番はいけるんじゃない? 」
「失敗、成果ゼロよりもいいよね」
「うまくいってる方だよ。半分以上のチームは僕らよりもダメだもん」
などの話をしています。

制限時間が終了し、結果的にそのチームは2位。
1位のチームは大喜び。3位のチームは悔しがったり、失敗チームは成果を出せたチームと何が違ったのかと話し合ったり。
そんな中、2位チームはとても冷めた雰囲気が漂っていました。

グループワーク終了後の振り返りタイム。
こういう「出来事」は振り返りの絶好の材料です。
敢えて私はグリグリと突っ込み、職場における一般論として全体であれやこれやと考えていきます。

かつて、政府の事業仕分けにおいて「1番じゃなきゃダメなんですか?2番じゃダメなんですか?」と強く迫った議員の口調が物議を醸しだしましたが、まさにテーマはそれ。
1番じゃなきゃダメか? 2番じゃダメか? がテーマです。

1番は一人(一社)しか取れない。
2番だって立派だよね。
成果ゼロだったらそもそも元も子もないもんね。
勝負の土俵に残ることが大切で、そこから落ちたら意味ないしね。
スポーツだってさ、優勝とか全然無理で、予選突破だけでもスゴイとかあるじゃん。失格したら残念だけど、ファイナルレースに残れただけでも素晴らしい!とかさ。

さまざまな意見が飛び交う中、一人の参加者がこう言います。
「けどさ、狙って2番取るのも難しくない? 結果2番とかはあるけど。2番て狙って取るもんじゃないじゃん。」

すると別の一人がこう添えます。
「そうそう、1番狙って頑張ってて、残念ながら2番だった、てことだよね。最初っから
2番狙いだったら、3番にも4番にもなれないかもしれないじゃん。」

議論は徐々に活性化していきます。

だいたいさ、予選突破でも素晴らしいとか、比べる土俵が違うんじゃない?
予選突破するのがそもそも厳しい実力でそこにチャレンジするのと、それは問題ない実力がそもそもあるのとでも価値は違うしね。
て言うかさぁ、結果も大切だけど、その結果至るまでの取り組み姿勢とか考え方が問題なんじゃないの?
そうだよ、はやぶさ2の2回目の着陸だってさ、2番狙いだったらトライはあり得ないだろう!?
けど、俺らの会社、そもそも業界1位じゃないし・・・
だから1位狙いじゃなくって、中堅でいいや、って甘んじてるから万年中堅で上に行けないんじゃないの?
私、中学高校と、何とか学年1位取りたいと思って必死で頑張ったけど、いっつも3番とか、悪いと7番とかで。あれ、1位狙いじゃなかったら、20番とか50番とかだったかも。
精一杯努力して結果2位なのと、最初っから力出し切らないで2位なのとは、結果は同じでも中身は天と地ほど違うよね。
そうそう、そう言う取り組み姿勢、お客さまにも通じるんだよね。手抜きしてる風に見られる。
けどさ、結果はOKなんだから別にいいんじゃないの?
そうかもしれないけどさ、7割の力しか出さないで取り組んだことと、100%出し切って取り組んだこととは、こちら側の気持ちの充実感は違わない?
俺は失敗して0点の方がイヤだけど。
それ、ただの見栄っ張りなんじゃない?
けどさ、仕事で0点は許されないよね。
7割チャレンジじゃ、チームの達成感とか生まれそうもないし、イノベーションとか起きなさそう。
うん、なんか惰性で仕事してる感じで、私はちょっとイヤかも。
俺は安全堅実志向だから、チャレンジし失敗するよりも、別に充実感となくても何事もなく確実に進んでいくのでいい。
お前のチームのメンバー、なんか、仕事楽しくないんじゃない?
俺の価値観なんだからほっとけ!

人の価値観に良い悪いはなく、人それぞれ、どんな価値観を持っていようとも(非人間的なものは別として)それが個人の評価を左右するものではありません。
しかし、その価値観が周囲に与える影響を知っておくことは必要です。
例えば、チームリーダーが「失敗はイヤだから70点でいこう」と言ったなら、チームからチャレンジする力は失われ、やる気を削がれる人は出てくるでしょう。
「失敗しても仕方ないけど、とにかくチャレンジすることが大事なんだ!」とチャレンジを強要しすぎると、結果を出せない(見えない)ストレスにメンバーは疲れてしまうかもしれません。

1番じゃなきゃダメなんですか? 2番じゃダメなんですか?

この問いに対する私の答え。
「結果」ではなく、そこに至る過程・中身が大切です。
例えば、ワークショップでのガチ本音ディスカッションの中身が大切なのと同じです。
目に見える結果だけに囚われるのではなく、そこに隠された大切なコトに意識を向ける、それこそが大切に扱われなければいけないコトなんだと思います。

2019年08月17日

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