台風19号が都内を通り過ぎた翌朝、いつもより早くにワンコのお散歩に出かけた私は「ある事」に注意して周囲を見ながら歩いていました。
それは近くの公園で1年以上も前から行われている大掛かりな工事や、数軒のリフォーム中の住宅、2軒の新築中の住宅の足場とそれを覆う養生幕です。
前日の暴風雨は窓をしっかり閉めていても部屋の中のカーテンが揺れるほどの恐ろしい勢いで、解体されずにそのままに組んでいる足場が崩れて事故になっていないかが気になって仕方なかったのです。

公園工事は区の公共工事ということもあるのか、養生幕は全て取り外され、真っ裸になった足場は大きなものだけが残され、細いものや重機は全てどこかへ撤去されていました。
あんなものが崩れでもしたら大事になる。
良かった、と勝手に安堵したのですが・・・。

外壁リフォーム中の知人宅は足場も養生幕も台風襲来前のままだったようで、ほとんど外れそうになった大手メーカー名の入った養生幕がだらしなく垂れ下がり、また、気のせいか、足場の一部が斜めに傾いているように見られました。
家の中にはそのまま住んでいる知人は、この状態では昨晩は足場や幕が揺れる音も手伝ってさぞかし恐ろしい思いをしたのではと容易に想像がつきました。

すぐ近くに大手高級メーカーが手掛ける新築物件は知人宅よりも一層残念な印象をぬぐえませんでした。
足場の傾きは感じられませんでしたが、かろうじて何とかぶら下がっている養生幕とは別に、外れて近くの木に絡みついてしまっている養生幕もありました。

その数軒隣には同じく新築中の家があるのですが、そこは「1軒1軒心を込めて」というようなキャッチフレーズを持つ中小の工務店が工事をしているのですが、きちんと折り畳まれ足場にしっかりと巻き付けられた養生幕は強風の中にあっても乱れることはなく、整然と言っても良いほどにきちんと片付けられた状態を保っていました。
他にも何軒かの工事中物件を確認しましたが、この工務店が担当する足場・養生幕が一番美しい状態で台風一過の朝を迎えていました。

普段目に見える部分だけでなく、なかなか気づかない部分、分からない目に見えないところにまで微に入り細に入り心を込めて丁寧に仕事をする。
必ずそこに気がつく人はいるし、見ている人はいる。
誰も気づかなかったとしても自分は、自分たちは知っている。
自分自身が本当に誇れる、誰にも、自分にも恥ずかしくない、丁寧な仕事をする。
この工務店から大切なことを学んだ思いです。

散歩から帰った私は家族に報告するともなくこんな話をしました。
「A社が一番悲惨というかだらしなくってね、けど、あそこは高級住宅で知られてるのにね。B工務店は知らなかったけど、一番ちゃんとしてた。家を建てる予定なんてないけど、もし家を建てるなら、A社には頼まない、B工務店に頼もうって思った。
結果的にどこの現場も事故はなかたっけど、危機管理体制とか、周囲近隣に対する配慮とか、たまたまかもしれないけど大手ほどずさんでだらしなかった。
下請けさんがちゃんとしていないだけなのかもしれないけど、それも含めて『信用』だよね。『心を込めて』の工務店さんはちゃんと本当に実践しているんだなって、あの養生幕を見てもそれが分かった。そういう会社に仕事は頼みたいよね。」

2019年10月15日

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