先日のスケートカナダで圧巻の優勝を飾った羽生結弦選手にはブライアン・オーサーというコーチがいます。
羽生選手に限らず、アスリートの世界ではほんの少しの例外を除いて皆、コーチがついています。
それは自分以外の目で客観的に物事を見て判断し、適切なアドバイスを受けることが成長・進化のためには必要だと誰もが皆知っているからです。

どんなトッププロであっても、自分の目て見て判断してばかりだと独りよがりになったり自分では気がつかないところがどうしてもあったり。だからコーチをつける。
コーチの条件は、必ずしも彼らがトップを極めた人である必要はなく、公平な第三者目線で適切な判断とアドバイスをしてくれ人であることが求められるようです。
東京オリンピックに望みをかける体操の内村航平選手は、彼よりも年下で選手としては実績があまりないコーチを「的確で厳しい事もちゃんと言ってくれる」ということでコーチに迎えました。
今ではジャパンを率いる水泳の平井コーチも選手としての実績はほとんどありませんが、その後、指導者としての研鑽を積み、今では知らない人はいない名コーチです。
「前にテレビで見た時とスイングが少し速くなったね。」とゴルフ選手が行きつけのレストランのご主人の何気ない一言で自分のクラブの振りのズレに気がついたり、「足でも痛いのかと思ったわよ。」とご近所のおばあちゃんとの挨拶で体の使い方が悪かった事に気づいた野球選手がいたり、何もプロのコーチでなくとも、必要なコトを遠慮なくきちんと伝えてくれる人であれば、それが子どもであっても全くの素人であっても誰でも良いのです。(こちら側に耳を傾ける姿勢があれば、の前提です。)

それはアスリートに限ったことではありません。
プロの歌手だろうと伝統芸能の担い手であろうと、コーチングのコーチやコンサルタントであろうと、一流と呼ばれる立場になってもなお、自らにコーチ(師)をつけ、一層の研鑽に励むのは極めて普通のことです。
何故なら、現状維持は停滞を意味し、皆、今よりも成長・進化したいと願っているからです。
しかるになぜ、多くのビジネスパーソンは自分自身にコーチをつけることを厭ったり、自分より優れた実績を成した人でなければコーチとして学ぶことはないなどと、愚かな判断をしてしまうのでしょうか。

頑張って言われたことをやっていれば少しばかりでも昇給はするし終身雇用が約束されている、などという時代は当の昔に終わりました。
誰でどんな職業であろうと、必要とされ続ける企業。チーム・人材であり続けるためには、そして自分が自分らしくイキイキと有意義なビジネスライフを過ごすには、現状維持ではなく、今より更に進化・成長を心がけ、そのために必要なのは「客観的視点による適切なアドバイス」とそれを受け入れる「素直な心」、そして必要な改善行動の努力に他ありません。

アドバイスとは、「ここをこうした方が良い」という解決方法のみを指すのではありません。「ここが前とは違う」「ここがおかしい」「ここはできている」という正しいモノの見方ができてそれを正確に伝えることができる、それらも含みます。
もっと言えば、トップであればあるほど、必要なHow toはすでに身に着けており、今更新たな何かを習得するということではないのかもしれません。ミリ単位のズレを確認し、どこがズレているのか、どんな時にズレているのか、そういったことを正確に見て正しく伝えてくれる、そんなコーチが必要なのではないでしょうか。

エグゼクティブにコーチですか?
トップ(経営層)にトレーニングやコーチするんですか?
こんなご質問を驚きと共にお受けします。
成長・進化を強く望んでいらっしゃる方であれば、エグゼクティブであっても経営トップであっても、羽生選手にコーチが必要なように、彼らにこそコーチや師が必要なのです。
それは経営のハウツーや迷った時にこうすべし、という道筋を示すコーチではありません。
あくまでも自分目線とは異なる第三者の立場で物事を見て、ご本人が気づき、考え、選択し、行動することができるよう、必要なフォローをし見守ってくれている、一番のファンであり応援団なのです。

2019年10月30日

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