オフィスでは隣同士の席なのに、Aさんに用がある時、Bさんからメールが届きます。
そんなBさんにAさんもメールで返信。
しかしそれではマズイと思ったAさんは「僕と話しづらい?」と勇気を出してBさんに聞いてみました。
「別に・・・」
そう答えが返ってきたものの、相変わらずBさんからはメールのみ。
BさんのメールはAさんに限ったことではないようです。
他の誰に対してでもコミュニケーションはほぼメール。
そんなBさんに私は「直接話した方が早い事もあると思うけど」と提案すると、Bさん曰く
「僕はタバコを吸わないからタバコ部屋に行かないし、酒も飲まないからみんなと飲みに行くこともないし、ゴルフしないからゴルフでの話も盛り上がらないし、みんなのこと良く知らないからコミュニケーション取ってと言われても共通点ないし、難しいというか無理なんですよ。」と返事が返ってきました。
こちらから話しかけると「これでもか!」というくらいに色々と話してくれるBさんですが、職場でのコミュニケーションはもっぱらメールになってしまうようです。

「話が盛り上がるんだったらメールじゃなくても直接会話でも大丈夫なの?」
私が質問すると
「そりゃぁそうですよ。盛り上がってるのにメールとか面倒くさいじゃないですか。けど、仕事で盛り上がるとか、あり得ないですよね。」
とBさんは冷めた表情で言いました。

「盛り上がる」をどういった意味で捉えれば良いのでしょう。
雑談であれば「ワイワイ、キャッキャっと話がテンポよく展開されて楽しさや心地良さを感じる」という具合でしょうか。
かたや仕事であれば、「互いに無関心ではなく親身になる。真剣である。結論が導き出される。活発に議論ができる。」というイメージかもしれません。

「ねえねえ、仕事でも全然盛り上がるんじゃないの?雑談だって盛り上がれるよ。簡単だよ。」
私がそう言うと、「あり得ない!」と不満顔のBさん。
そこで私は、私とBさんの上司であるSさんとの「盛り上がり」について話をしました。

私とSさんとの会話のテーマはSさんの趣味の話か共通の関心事の介護の話です。
けれども「盛り上がる」という点で言うと、圧倒的にSさんの趣味の話の時の方が盛り上がります。
ちなみに私はSさんの趣味について全くのド素人であり、知識はありません。
なのになぜ盛り上がるのか。
それは「Sさんの関心に私が関心を寄せているから」です。
相手の事を知らないから話ができない、盛り上がらないというのは、自分視点で会話を進めようと思うからそう感じるのです。

好きな女の子・男の子のことが色々知りたくて、「食べ物は何が好き?好きな芸能人は?休日は何しているの?」と質問が次々と飛び出てきて、「ラーメンが好き」と聞いたら「味噌?醤油?横浜家系?」などと、更に深く質問が出てくる、そして盛り上がる。相手の関心「ラーメン」について話を深掘れば深掘るほど、質問を受けている方は自分の好きなラーメンに相手が関心を寄せてくれているわけですから、気分は高揚し、自然と話・その場が盛り上がるのです。
相手の事を知ろう、もっと詳しく知ろう、と思ったら、知らないからこそ質問は出るし、真剣に聴くし、自分の関心事に関心を寄せられた側は気持ちがそれこそ盛り上がり、どんどんと話は進んでいくはずです。

「それってつまり、メールで会話をしている僕は自分勝手だということですか?」
Bさんからの切り返しに、「そう来たか」と思った私ですが
「『会話』という観点ではそうかもしれないね。自分の言いたいこはメールで伝えるけど、相手の事はシャットアウトしているに等しいんだから。少なくとも隣に座っている人にメールでしか話をしないのは、自ら相手に壁を作っているのと同じだもんね。それじゃあ、困ったことになった時にも、『この人を助けたい!』とは周囲はなかなか思わないかもね。だって、壁作り人だから。」

Bさんならこれくらいキツイ事を言っても大丈夫と私は思い、彼の顔色を見ながらそう言うと・・・
「そういう言われ方は心外です!」
と不満を露わにしながらも、
「自分ばっかりじゃなく、人の関心に関心を寄せてみます。」
と渋々ではありますが、それでもハッキリと答えてくれました。

相手を知らないから話しは盛り上がらないのではなく、知らないからこそ盛り上がるのです。
その場に一緒にいなかったから話に入れないのではなく、その場に一緒にいなかったからこそ、その場がどんなだったかを知るためにドンドンと質問を重ねて話をすれば良いのです。

大人になると何かと難しく考えがちですが、もっとシンプルに考えましょう。
小学生の頃、好きな子のことを知りたくて質問攻めにしたことを。
好きな子が好きだと言ったコト・モノを自分も知ろうと体験・経験してみたことを。
これこそまさに「相手の関心に関心を持つ」です。
私達は子供の頃は、特別に学ばなくとも自然とコレができていたはず。そう、DNAにちゃんと組み込まれているに違いないのです。

「僕も自分視点でBさんの関心事項に気持ち寄せていませんでした。」
後日、そう言ってくれたAさん。

単に会話を促進するという目的ではなく、互いが互いの関心に関心を寄せ合う、そんなチームであれば、そのチームはレジリエントなONE TEAMに育っていくに違いありません。

2019年11月28日

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