母が父に強く言います。
「さっき説明したばかりじゃないの! 何回言ったらわかるん?」
「覚えれんのんよ。ごめんね。」
悲しそうに父が言います。

ベテランさんが新人さんにキツク言います。
「あのね、こんなこと言いたくないんだけど、もうちょっと、丁寧にやってくれる?」
「すみません。あの・・・。私・・・。」
怯える新人さん。言いたいことがあるようだけど言葉を呑み込んでしまって下を向いてしまいました。

どちらも私の目の前で起きたこと。
以前なら、「母は本当にキツイな」とか「あのベテランさん、もうちょっと他に言い方あるだろうに意地悪」などと感じていたものでした。
そして、私自身が不愉快な思いになっていました。
けれども、最近、これらの場面に遭遇した時、母やベテランさんに対して「ありがとう」と心の中で呟きます。
父や新人さんに対して気の毒に思ったり悲しくなることもありますが、母やベテランさんから「気づき・学び」を得た思いがして、つまりは「人のふり見て我が振り直せ」的なものだったり、「私だったらこんな風に言うかも」とか「ベテランさんにこんなサポートをしたいな」とか「父にはこんな風に関わるといいんだろうな」などと考えたりして、不愉快に思う暇などないのです。

自分に対してであれ他人に対してであれ、ネガティブな場面に遭遇した時、こちらもネガティブな気持ちになってしまうのは普通のことです。
しかし、そのネガティブな状況を作り出している相手に何はともあれ「ありがとう」と心の中でまず呟いている。
「え?一体この人に何を『ありがとう』なの?」とは思わずに、「この人への『ありがとう』は、えっとぉ・・・」としっかり意味づけしてみる。
そうすることで、不愉快な気持ちを感じるのではなく、いつも豊かな心持になることができるし、また本当に気づき・学びを様々に得ることができるのですから、相手に「ありがとう」と感謝しない手はないと思うのです。

12月最初の日曜日。付け下げ訪問着でお茶事に出かけた私は、出先で決して喜ばしくない出来事に遭遇してしまいました。
一緒にいた友人はすっかり憤慨しています。
けれども私は「ありがとう」とその出来事の主に心の中で感謝しました。
イヤな思いを全くしなかったと言えば嘘になりますが、それはほんの一瞬の事。「ありがとう」と感謝したおかげで人と人との関りにおける大きな学びを得ることができましたし、何より、一日中ご機嫌に過ごすことができたのです。

イラっとするより感謝をする。
そんなに難しい事ではありません。
とにかく「ありがとう」と先に(心の中で)言ってしまう。
そして、後から意味づけすればいいのです。

ネガティブな場面に遭遇したら、是非あなたも呟いてみてください。
「ありがとう! 理由はえっっとぉ・・・」

イラっとするより「ありがとう!」
誰のためでもない、自分のために、是非、お勧めいたします。

2019年12月02日

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