今、お手伝いをしている企業様のマネージャーAさんに「あなたが支店長だったらどうする?」と質問をしてみました。
Aさんの所属するX支店は、いわゆる「ギスギス職場・お疲れ職場」で、Aさんを含めて支店長批判の声が多く聞かれます。

私から質問を受けたAさんは最初、
「支店長じゃないのに、そんなこと突然言われてもわかりません!」
とツッケンドンに返事をしました。
「じゃあ、今、考えてみて。A支店長だったら、この支店をどうする?」
引き下がらない私に観念したのか、暫く考えたのち、Aさんなりの考えを話してくれました。

「なるほど。それがAさんの対策ね。その対策を推進していくにあたって、考えられる支障はなに?」
「上手くコトを運ぶために、誰の協力が必要?」
「本社へはどうやって根回しする?」
「反対、反発しそうな人たちへはどう対応する?」

次々と降ってくる私からの質問の雨に、時折、「僕、支店長じゃないですから!」と言いながらも、ちゃんとその都度考えてはAさんなりの答えを話してくれた、その最後に、私は止めの質問をしてみました。

「今、Aさんが話してくれたことを振り返ってみて、感じたこと、気づいたこと、何かある?」

するとAさんはまたしても考え込んだ後、「!!!」といった様子で私をまじまじと見て、それから大きな声で言いました。
「ああ、そういうことだったんですね!」
「ん?どういうこと?」
「だから、支店長の立場になって考えてみたら、支店長の言っていることややっていることが、何となく、その理由が分かったというか。けど、支店長は何にも説明とかないから、僕らは分からなかったけど、そういうことか!なるほど。」
一人、大きく納得しているAさん。ついさっきまで支店長に対しての批判が凄かったのですが、一転、今では共感しているのです。

「支店長は説明がないんだよね。説明があったらみんな、納得できる?」

「う~ん。支店長の説明だと納得までは難しいかも。もっとかみ砕いて、分かりやすくというか、新入社員レベルにまでわかるように丁寧に話してあげないと、支店長の説明は、いつも簡潔すぎて、僕ら、ついていけないんですよ。」

「じゃあ、Aさんがそれ、してあげるって選択はある?」

「僕?どうして?」

「だって、支店長の考えが何となくわかったんでしょ?それで、支店長はもともと説明がみんなからしたら下手なんでしょ?だったら、両方のコトがわかるAさんがその橋渡し、通訳をしてあげると、今のギスギスが少し緩和されるんじゃないかと思ったんだけど。」

「・・・」

「今の立場では分からないことも、一つ視座を上げて考えてみるとわかることもある。逆に、今の立場ではすっかり忘れてしまっていることも、昔の立場を思い起こしてみるとわかることもある。人は常に『今の自分』で考えるけど、視座を上げたり、駆け出しの頃を思い出してみたり、そうやって見る目線を変えてみることで相手への説明然り、関わり方然り、工夫ができるといいのかなと思うよ。」

最初は「支店長じゃないから!」と反発していたAさんでしたが、「視座を上げる」という考え方に大きく共感してくれたようで、これからは支店長の言い分に疑問を感じた時は、意識して視座を上げてみると言ってくれました。
「うん。そうね。けど、特別な時だけじゃなくって、普段から視座を一つ上げて物事を見たり考えたりする習慣があると、もっとAさんの成長につながると思うよ。」
と私は付け加えました。

苦笑いのAさん。
「『支店長に寝返ったのか』って、みんなに揶揄されそうですけど。けど、若い頃の気持ちも忘れずにみんなと接していれば、大丈夫な気がします。やってみます。」

視座を上げる。
立場を変えて考えてみる。

よく言われることですが、「今」に必死だとついつい忘れがちです。

お客様の立場で考える。
下請けさんの立場で考える。
営業だけど技術チームの立場で考える。
管理部門だけど現場の立場で考える。

あなたに今必要なのは、誰の何の立場でモノゴトを見て考えることですか?
そこから何が見えますか?

2019年12月14日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です