きちんと料金をお支払いして受けたあるサービス。
こちらの少しばかりのワガママや無理を聞いていただき、
とてもお世話になりありがたいと思ったYさんは
そのサービスを提供してくださったSさんに、最終のお支払いとは別に
心ばかりのお礼を送りたいと思いました。

するとYさんの先輩は「そんなの必要ないよ!」と猛反対でした。

「お金払ってるんだから、そんなの当たり前!それ以上のことをわざわざする必要ないよ。そのための契約でサービス料なんだから!」


先輩の強い物言いに驚いたYさんは「わかりました」と言ったものの
そういう考え方は自分にはしっくりこないと思い、友人にその話をしました。
すると、Yさんの友人はこんな風に言ったのです。

「先輩の意見は一理あるんじゃないの?これからも関係が続いて良好を保ちたいんだったらお礼してもいいだろうけど、今回みたいに1回限りだったら、別にわざわざそこまでしなくてもいいんじゃないの?って言うか、いらないと思うけど。」


つまりは友人もNo! ということでした。


理屈はそうなのかもしれないけれども、Yさんはやはり腑に落ちず、結局は、当初の自分の考え通り、お世話になったSさんに、料金のお支払いとは別に、心ばかりのお礼のプレゼントを贈りました。

「本当にお世話になりました。」
心からの感謝の気持ちを添えて、メッセージカードとともに小さなプレゼントをSさんにお渡ししたのでした。


私はYさんに1票! です。

先輩の考え方も、お友達の考え方も、わからないではありません。
けれどもそれって、あまりにもビジネスライクというか、悲しい気がするのです。


感謝の気持ちを伝えるのに、見返りを求めて伝えるのはいかがなものでしょう。
お金を払っているのだからサービスが良いのは当たり前だと決めてかかるのはどうでしょう。
お金を払っていてもいなくても、相手の方に感謝の気持ちが芽生えたのであれば、それを素直にお伝えする心を持っていたいですし、対価として当然のことと考える横柄な心を持ち合わせたくはありません。


情けは人のためならず

と言いますが、同じことだと思うのです。

嬉しかった。ありがたいと思った。その気持ちを素直に相手に伝えたい。
もちろんお金を払って受けたサービスだけど、それでもプラスアルファの気持ちを伝えたい。
言葉だけの感謝の気持ちでも全く問題ないけれども、せっかくだから心ばかりの小さなお礼を送りたい。
そこには、「自分がそうしたい」と純粋に思うだけで、そこから何か見返りを求める気持ちなど微塵もないのです。


人と人とのご縁はどこでつながり、どこで途絶えてしまうのかは誰にもわかりません。
今回限りのことだと思っていても、まわりまわってどこかでまた何かのつながりが生まれるかもしれません。
いえ、そもそも、世界に77億人超もの人間がいる中で、出会い、お世話になったその奇跡に感謝することは、感謝したいと思える気持ちを持てたことは、それこそが本当に素晴らしいことであり、ありがたいことであり、そこに損得勘定などを織り込むこと自体が全くのナンセンスだと思うのです。


私は感謝に1票!


私の言葉にYさんはニッコリと微笑んで言いました。

「うん。そういうと思った。
こんな気持ちにさせてもらったこと自体がありがとうだもんね。プレゼントできる相手がいるって、幸せってことだもんね。」


情けは人のためならず

感謝は人のためならず



2020年03月05日

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