私は高校までは地元の公立へ進み、大学進学で東京へ出てきました。浪人する経済的余裕はないので受かったところへ行けばいいと言われており、両親からのプレッシャーもなく呑気なものでした。

医学部進学を目指して頑張っていた友人は、お母さんのとても熱い思いもあり、国立大学の難関校を第一志望にしていました。本人は本当は別の大学の医学部を希望していたようなのですが、家庭の事情やお母さんの思いを考えると自分の考えを告げることはできなかったようです。しかし残念ながら受験の神様は彼には冷たく、二浪の末、全く別の医学部へ進学することとなりました。

友人は日頃の成績を考えれば、第一志望の医学部の合格も決して夢ではなく、合否判定も良い結果が出ていたようです。プレッシャーに負けてしまったと言えばそれまでなのかもしれませんが、本人の思いに対して周囲(彼の場合はお母さん)の思いがマッチしない場合、時として悲しい結果を招くこともあるのだと、その時思いました。

 

つい先日、このこの友人のことを思い出すようなエピソードがありました。

ある企業の部長さん、その部下の課長さん、それぞれとお話をした時です。

お話の内容は、「所属メンバーを社内の管理職登用試験にどうしても合格させたいのだがどうしたら良いか」というものでした。

これだけ聞くと、上司に思われて幸せなメンバーだなぁ、と思うのですが、お話を聞けば聞くほど、私はある疑問が頭をよぎり、それがどんどん大きくなってきたのでした。

それは、「メンバーの人は、管理職になりたいと思っているのかしら?」ということです。

部長さんに聞いても、課長さんに聞いても、「本人も望んでいる」という返事が返ってきます。しかし、お話の詳細を聞いているとどうしても私にはそうは思えなかったのです。それに、部長さんと課長さんの間にも温度差を感じました。

対象メンバーの方が管理職登用試験をパスすることによって、部のみならず他部署へ与える印象は大のようです。もちろん、それをバックアップした上司は大きく評価されるのでしょう。

そんな下心見え見えの方達ではありませんが、どこかに、部長・課長の思いが先行しすぎて、当のメンバー本人の気持ちがないがしろにされているように感じました。

管理職になりたい(したい)という熱量比較を数式で表すとしたら、

部長 > 課長 > 本人  のような気がしてならなかったのです。

 

私の違和感をご理解いただいた当該部長さん、課長さんは、メンバーの本音をしっかりと確認すべく、改めて話し合いの場を持つことになりました。上司の思いを押し付けるのではなく、大切なことだからこそ本人の思いや熱量を再度確かめてみようと判断なさったお二人に拍手を送りたいと思いました。

 

昇進試験に限ったことではなく、職場において(職場に限らず、組織においても家庭においても)、リーダーとメンバーの熱量に差があり過ぎると、特に、その温度差を気がつかないままに高い方が低い方を引きずっていく形になってしまうと、やらされ感や無責任感、依存状態が生まれてきてしまう可能性が大です。また、熱量が高い方は低い方の取り組み姿勢に対して不満やイライラが募り、それらが批判や非難になってしまう場合もあります。

1つの目標を定めるにあたっても、その熱量をしっかりと確認した上で共に取り組んでいくことが大切なのだと思います。

 

 

 

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