ほぼ会社全体休業に追い込まれている中、
最大支店の部長がマネージャー達を集めて言いました。

「今期、スタート早々の休業で、年間目標へのスタートダッシュは
いきなり出鼻をくじかれた。
けれども、今から完全白旗降参ではなく、今だからこそ考えて動いてほしい。
数字の責任は俺が取る。お前たちは、徹底的に行動にこだわってくれ。
こだわってこだわって、それでもダメだったら、その時は、
『こんだけ頑張ったんだから』でいい。そのあとは俺の仕事だから。
お前たちはプロセスに、行動に意識を向けてほしい。」


くぅぅぅぅぅ!!!!

こういうの、鳥肌が立つほどに、私、好きなんです。
しびれるぅぅぅぅぅ。
惚れてしまうだろう~。

と私なら思うのですが、
マネージャー達の反応はイマイチでした。
特に部長と関係性が悪いわけではありません。
ただ、彼らの顔を見ていると分かるのです。
「腹落ちしていないな・・・」


そこで私はマネージャー達にストレートに尋ねました。
「ここに書かれている方針で取り組むことに、どれくらいコミットしてるの?」

誰も何も答えません。

「この方針そのものに不満がある?」

これについては、不満を唱える人はおらず、
逆に、短い時間でよくここまで練られたものだと
関心しているほどです。

「じゃあ、どんな風に思ってる? 感じてる?」
とても優しく尋ねる私。

「やらなきゃいけないのは分かってるけど難しい。時間も・・・」

全員が全員、なんとも歯切れの悪い言葉しか返ってきません。
ここでついに、私がチコちゃんになってしまいました。
と言うか、前段のボードミーティングで、
マネージャー達の反応が鈍いので、真意を確認した上で、
必要ならば厳しく対応してほしいとお願いされていたのですが、
おそらく、お願いされていなくても、
「ぼーっと生きてんじゃないよ!」
よりも派手に雷を落としたでしょう。

(ここからはほぼ、リアル再現フレーズです。)
「あのさぁ、みんな、なんで課長やってるの?お飾り?
今は緊急事態なんだよ。平時じゃないんだよ。
精神論云々言うの、私は好きじゃないけど、
今は言わせてもらうから。
会社、休業してるんだよねぇ。
お給料出てないの? 出てるでしょう? それも100%満額出てるよねぇ?
人員削減計画あるの? ないでしょ? 何にもないよね?
目標未達だったら責任取れ、って言われてないでしょう?
責任は部長が取るから、みんなはやれることを精一杯頑張ってと
それだけでしょ?
これ以上、一体何があるの?
No.1支店であり続けるとか言ってた、あれって嘘?
どんだけ自分たちが恵まれた環境にあるか、分かってる?
他の支店はもっと必至だよ。がむしゃらだよ。
そんな程度だったら、役職手当、返上したら?
課長なんか、やめちゃえ。
本当に情けない。
役職はお飾りじゃないんだよ。立派に経営層の仲間なんだよ。
支店をみんなに任されてるんだよ。
そこにコミットできないんだったら、課長でいる資格なんかないよ。
そもそも、そんな程度の上司を持つ、みんなの部下たちが可哀そうだよ。
この非常時に、『やらなきゃいけないのは分かってるけど…』とか、
そんなことしか言えないのは、役職者として完全に失格だよ。
この半年、私がやってきたこと、
みんなに全く伝わっていなかった、ってことだよね。
私の力不足を感じる。社長に申し訳なくて、フィー全額返上しなきゃいけない。
あのね、経営は遊びじゃない。
みんなは、課長っていうのは、
これまで頑張ってきたご褒美で与えられる呼称じゃなくて、
経営の一翼を担ってもらうための『役割』なんだよ。
重い責任を担ってるんだよ。
だから権限も与えれているし、手当も与えられている。
その役割を果たせないんだったら、
果たそうという気構えがないんだったら、
こんな非常事態にさえ、その意欲を見せることができないんだったら、
全員、課長なんかやめちゃえ!!!」

私のあまりにもの勢いに、全員、完全に固まっていました。
後で聞いたら、いまだかつて、こんな風に言われたことは一度もないし、
静かに低いトーンで次から次と私の口から出てくる言葉に
完全に迫力負けし、グサグサと胸に刃が突き刺さってきて、
ぐうの音も出なかったと、
苦笑いしながらAさんが感想を語ってくれました。

熱い熱いセッション終了後、生々しい報告を私から聞いた部長さん。
「尾藤さん、ありがとう。
僕らが言いたくてもずっと言えなくて、
いや、言っちゃいけないんじゃないかと思ってたりもして、
けど、見事に言ってくれて。
あいつらのあんなに引き締まった顔、見たことない。
いやぁ、本当にありがとう。」


「めっちゃ、ブラックで怖かったと言われましたけど。」


「いや、ホント、ありがとう。」

「部長や社長が言っちゃ駄目ですよ。
下手したらパワハラ一発アウトですから。
外部の私だから言えるんです。
それも、この半年で、彼らとの信頼関係が築けていると
私なりの自信があったから言うことができました。
そういうの何もなくって言ったら、ただの偉そうなおばさんです。
私は『なんだよ、偉そうに!』と嫌われてもいいんです。
外部だから。いつも顔合わせるわけじゃないから。
でも、部長や社長が同じように言ったら、
毎日顔合わせる直接の上司が言ったら、
一歩間違えたらチームが壊れる事だってある。
だから、私をうまく使ってくれればいいんです。
今日、たまたま彼らは響いてくれましたけど、
万が一、「なんだよ!」と思われたとしても、心が震えた事は、
必ずどこかに残る。そして思い出す時がある。
今は本当に非常事態。
なんとしてもこの休業から再開した時に、
プラスへ転じる、そのための徹底した行動と姿勢を
彼自身が示さなければ、社員のみんなも戸惑うばかりです。
今日は、彼らもいろいろと考えることがあると思うので、
あとは部長の方で、フォローお願いいたしますね。」


今は有事です。
「どうなったらいいと思う?」
「意味づけしてみよう」
などと言っている余裕はありません。
(もちろん、対象者によっては、それでも良いのですが。)

有事には有事のコンサルがあると思っています。
ブラック復活だったかどうかは別として、
マネージャー達に檄を飛ばし終わった時、
私は自分の背中にびっしょりと汗をかいていることに気がつきました。

今は非常事態です。
お客様も必死です。
私も必死なのです。

2020年05月21日

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