「女性の部下に手をやいています。」
というご相談を立て続けにいただきました。
「仕事はできます。
ずっと同じ部署にいるから自分よりもある意味なんでも知っている。
けど、上司の僕の言うこと聞かなくて、煙たいんですよ。」
お話を伺いながら、「イタタ・・・」と思ってしまう私です。
私も扱いづらい生意気な女性部下の筆頭だったことは間違いないですから。
私は男女雇用機会均等法施行翌年の採用で、
かくいう私も男女同一条件で配属された一期生。
ところが当時の上司が「女はいらない!」と言っていたと周囲から聞き、
ひどくショックを受けたことを覚えています。
お客様に担当営業になったご挨拶に伺うと、
「女の担当じゃなく、男にして」と面と向かって言われたこともありました。
何とか認めてもらおうと、
男性に劣っていない、女性だってできるんだ、女性の方が良いところもある
と必死で努力しました。
知らず知らずのうちに、めいいっぱい自分を大きく見せようと肩肘張っていたと思います。
折しも時はバブル。
今では考えられないような大きな肩パッド入りのジャケットが流行り、
今見ると、まるで戦闘服のようです。
そう、この世代の女性たちは、まさしくブランド物の戦闘服に身を包み、
必死に頑張ってきた世代なのです。
私はこれをガンダムスーツと呼んでいるのです。
最初は一枚だったガンダムスーツも年齢と経験を重ね、
ステップアップするためには、さらにガンダムスーツを何重にも
重ね着る必要が女性たちにはありました。
(少なくとも私は10枚くらい着ていたかもしれません)
そしていつしかそれが、仕事においては当たり前になってしまうのです。
幸いにして、私はガンダムスーツを脱ぐことができました。
最初は怖くて、なかなか脱げません。
脱ごうとしてもまた着たりして・・・
それでも1枚、また1枚と脱ぎ去っていきました。
何年の歳月がかかったことか。
働いている女性を見ていると、
同年代の方たちのみならず、お若い方でも
まだまだガンダムスーツを着ている方が沢山いらっしゃいます。
そうしなければやっていけない企業風土なのか、
先輩たちがそうだから、そんなものだと頑張ってしまっているのか・・・
脱いじゃえば楽なのに~
と思うのですが、きっかけが必要なのです。
突っ張らなくても、肩肘張らなくても、
等身大の貴女で大丈夫なのだと、背中を押してくれる誰かが必要なのです。
恐らく、男性にはこの感覚はわからないと思います。
なんだかんだ言っても、未だ多くの企業は男社会。
だから、生身の自分で戦うだなんて考えられない、戦闘服が必要なのだと
思ってしまのも無理はないのです。
でもね、闘わなくてもいいんです。
闘う必要などないのです。
だって、闘わなくても、あなたはあなたでいるだけで十分に素晴らしいし、
ガンダムスーツで武装するよりも、そのまんまのあなたの方が
遥かに魅力的で周囲をイキイキと明るく照らす魅力があるのですよ。
なぜなら、私が言うのもなんですが????
女性の笑顔は????だから。
これは絶対にオトコにはできないこと。
ビジネスの世界にオトコ・オンナを持ち出すのは私も好きではありません。
しかし、この世にオトコとオンナの二つの性しかないのであり、
せっかくオンナに生まれたのであれば、わざわざオトコを真似て闘うのではなく、
自分らしくそのまんま(女性らしくと言うと誤解を招くかもしれないので
敢えて「自分らしく」と言うのですが)でいれば良いのです。
ガンダムスーツを着込んだ貴女よりも、
等身大の貴女の方が何倍も何十倍も人として魅力的です。
鏡に向かってにっこり微笑むあなたは
戦闘モード満載の闘う穴よりはるかに魅力的なはずです。
そうは言っても職場によっては、闘わなければいけない時だってありますよね。
そんな時には「ニコパン」攻撃をしてみてください。
ニコニコパンチ(ニコニコしながらパンチ(キツイ)をお見舞いする事。
略してニコパン。
微笑みながらニコパンパン。
決してガンダムスーツを着込んでオトコになる必要はないのですよ。
おりしも季節は初夏に向かいます。
暑っ苦しいガンダムスーツは脱ぎ捨てて、あなたらしく、等身大のあなたで
周囲に笑顔を届けてくださいね。