マネジメント・リーダーシップ

具体的が良いか、一般的が良いかは人それぞれ、場面それぞれ

会社の目標と自分の目標、会社のビジョンと自分のありたい姿
それが一本の線に繋がり、グルグルと循環が起こっている
そんなイメージを持つことが自然にできれば
「やらせれ感」や「義務感」「責任感」などに追われるのではなく、
ジブンゴトとして前へ進むことができます。

ところが、なかなか一本の線に繋がりそうで繋がらないAさん。
「しっくりこないんです・・・」
ということで、実際のAさんの目標シートを見ながら
一緒に「考え方を考えて」みました。

15分ほど、ランダムに話し合った後、
Aさんの頭の中にあるものを、言葉に、声に出して言ってもらいました。

「自分の言葉を自分の耳で聞く。これ、めっちゃ効果的だからね。」

私の言葉に頷きながら、
言葉にしては「ん?なんか違う」「こんな感じ」「ちょっと、もう1回言ってみよ」
とどんどんと前のめりになっていくAさん。

ここまでくると、私があーだこーだと言わなくても、
自分の言葉を自分の耳で聞くことで
1本の線に自然と繋がり、循環が廻り始め、
その線も勝手に太くなり、循環の勢いも加速してきているようでした。

「スッキリしました! あざっす!」

笑顔のAさんの報告を、Aさんの上司のBさんにしたところ、
Bさんの表情が一気に曇りました。

「僕も説明したんですよ。僕の説明じゃぁ、通じなかったということですよね。
いっつもそうなんだよな。
何がいけないんだろう。。。」

社内でもカリスマ性が抜群に高いBさん。
みんな、Bさんの説明に全身耳になって話を聞くのですが、
どうも理解しづらいのか、「僕の話はみんなに伝わらない」
がBさんのお悩みでした。

「Bさん、今回に限って言えば、Aさんに一般論で説明なさったのですよね。
Aさんは、一般論ではなかなか受け取り辛かったようですよ。」

「一般論の方が応用きくし、個別の話よりも分かりやすいと思ったんだけど・・・」


普段お話ししていても、Bさんのお話は一般化されているものが多くあります。
それは、Bさんの様々な経験が集約分析された結果の一般化であり、
Bさんにとっては一般化された話の方が、色々とイメージが膨らみ、
理解も促進されるのかもしれません。

しかし、まだそんなに経験が多くなかったり
そもそも一般化されたことで具体的イメージを抱き辛くなる人もいます。
そんな人にはまず最初に具体論でしっかりと理解してもらい、
そこから一般化を本人にしてもらう方が、思考の順番としては効果的です。

何が良い悪いではなく、
人によって受け取りやすい、受け取りづらいがある、それだけです。

自分にとってのOKが相手にとってのOKとは限らないし、
その逆もまた同じです。

じゃあどうすれば良い?

答えはいたってシンプルです。
相手の理解を確認しながら、受け取りやすいよう、こちらが柔軟に
対応すれば良いのです。

「俺が、一方的だったということか」

苦笑いのBさん。
そんな真摯なところが、皆さんに人気の所以なのかもしれません。

相手が受け取りやすいボールを投げてあげれば良いだけの事。
子どもには子どもの、お年寄りにはお年寄りの。
新人には新人の、ベテランにはベテランの。
「これくらい受け取れよ!」と怒ったところで、
目的は「正しくきちんと受け取ってもらうこと」

受け取れない相手を責めたり非難するのではなく、
受取りやすいボールを投げてあげて、
もっと難しいボールも受け取ってほしいのであれば、
そのトレーニングは別途行えば良いのです。


具体的が良いか、一般的が良いかは
人それぞれ、場面それぞれ
それを見極める目を持つことこそが大切なのです。

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