人気ジャーナリスト池上彰さんの番組で、彼の意見を何度も求めるタレントさんがいました。
「池上さんはどう考えているんですか?」
「皆さんに自分で考えてもらうために色々な材料を提供して・・・」説明する池上さんに、それを遮って
「でも、池上さんが一番正しいと僕は思っているんです」と言うタレントさん。
そんなタレントさんに池上さんは一言「それが一番危険なんですよ」と言いました。
お見事!
自分で考えないで「池上さんがこう言ったから」「池上さんだったら何て言うんだろう」と言うのは、自分自身の思考停止を招き依存状態を自ら作りだすどころか、頼られる人物に誤った勘違いをさせてしまう危険な行為です。
インフィニティでの研修においても、参加者の皆さんが自ら考えてもらう材料を色々と提供し、皆さんが自分の答えを見つけてもらう、自分はこう考える、という発見をしてもらう時間になるよう工夫をしています。
それでもQ&Aにおいて、「尾藤さんならどうしますか?」「過去に成功した人の例を教えてください」など、自ら考えることを放棄してしまい、安易に答えを手に入れようとする人が時折見られます。
そんな時は、「Aさんはどう思われますか?」と逆に質問し直すのですが、「分からないから聞いてるんです」「僕が先に聞いてるんです」と不機嫌そうに反発を受けたり、「答えを言わない講師」とバッテンをつけられることも時々あります。
研修時間中に答えが見つからなくても構わないのです。まずは自分で考えてみることが大切だと思います。
私の失敗例や体験談もたくさんご紹介しますが、それを真似しないでと言う意味でお伝えしているのではなく、それらを基に皆さんが何かを感じ考え、ご自身のマネジメントに活かせるヒントをつかんでいただければ嬉しいと思い、沢山のお話をしています。
一番危険なのは、「こういう時はどうすればいいんでしょうか?」「こう考えたのですが良いでしょうか?」というものです。
マネジメントも人生の一部。
相手に依存するのではなく、自分で考え自分で決めて、結果に対しても自分で真摯に向き合う、そんな姿勢でいたいと思っています。