絶対に変わった方が良い。
今よりも数段良くなるに違いない。
どんなに周囲がそう思っても、変化を受け入れない人はいます。
理屈では理解しているはずなのに行動では全く示そうとしない。
自分なりの理由をつけて変化を頑なに拒んでいる。
変化を受け入れない人たちには共通する理由があります。
それは、変わらない方が都合がいいからです。
メンバーが近づこうとしない。
後輩に追い抜かれてしまった。
上司から怒られてばかりいる。
第三者から見ると、変化の先には今より良いことが必ずあるのになぜ?
と思うことでしょう。
しかし、例えメンバーから煙たがられても、
後輩から追い抜かれ、上司から度重なる注意を受ける残念な状態でも
変わるより変わらない方が都合の良い、その人なりの理由があるのです。
それは、自分のプライドを守りたいのかもしれません。
自分のこだわりや価値観に執着しているのかもしれません。
周囲からすれば「そんなバカな」と思うようなことでも
当の本人からすると失いたくない大切なコトであり、
変わることでソレを失うのがイヤなのです。
変わりたくない人が恐れるのは、手に入るだろう良いコトよりも、
その人にとっては大切なコトを失うことなのです。
では、失うことを恐れる人は変わることができないのでしょうか。
そんなことはありません。
今その人にとって大切なコトよりも、もっと大切なコトがあるとわかる。
今その人にとって大切なコトが、実はそうでもなかったとわかる。
そうなることで、今大切だと思っているコトを手放す恐れはなくなり、
自然と変化へ向かうことができます。
最もわかりやすい例は失恋です。
美人で優しくて頭も良いA子ちゃんに失恋した。二度と恋なんかするものか!
ところがある日、明るく可愛らしいB美ちゃんに出会い、
A子ちゃんの事など忘れてB美ちゃんが好きで好きでたまらなくなった。
または、
A子ちゃんの好ましくない噂を耳にして一気に気持ちが覚め、
新しい彼女を探そうと思った。
A子ちゃん以外誰も好きにならない!(変化を拒否)
と思っていても、
大切だと思っていたコトに対する見方が変わる(好ましくない噂)、
またはそれに代わるコト(B美ちゃん)が出てくると、
すんなり行動変容へと繋がるのです。
変わらない人には、「変わりたくない、その人なりの合理的理由」があります。
その人たちに、変わった先に手に入る「新たな良い事」をいくら言ったところで
「失うことの恐れ」が勝っていたら、変化を期待することはできません。
新たな良いこと ≦ 失うこと
ではなく、
新たな良いこと > 失うこと
と思えなければ、変化への一歩は踏み出せないのです。
だからと言って、
「失うコトより良いコトの方が絶対に大きいよ」
と言うことは全く意味を成しません。
それは個人の主観によるもので、その理屈が通るくらいなら
とっくに変化への行動を起こしているはずです。
変化を受け入れない人たちには、その人たちなりの合理的理由があります。
それを無視して「変われ!」とするのではなく、
少し遠回りでも、失いたくないコト・モノの正体を知り、
それに代わるコト、またはそれに対する見方が変わるサポートをすることです。
そうすることで、人は必ず変わることができるのです。
急がば回れ。
決してあきらめてはいけません。