NHK朝ドラ「ひよっこ」で和久井映見さん演じる愛子さんにいつも沢山の学びを得ています。
集団就職で地方から出てきた若い女の子たちが明るく元気で仕事ができるようにと奮闘する寮の舎監さん。天然と言える明るさとひょうひょうとした様子で皆を温かく包み込んでいるのですが、昨日は愛子さんの素晴らしさがとびきり光った場面がありました。
それは、女優さんを夢見てオーディションを受けた寮の女の子、時子ちゃんに対してかけた言葉です。
緊張して本来の実力を全く発揮できず、オーディションに落選してひどく落ち込んでいる時子に対して愛子さんは「良かったじゃない。」と周囲も驚く一言を言うのです。
「え???」と言葉を失う皆に対して愛子さんはこんな風に言います。
「だって実力を精一杯出し切って最高の演技をして落ちたのだったら『残念だったね。諦めるしかないね』と言うしかないじゃない。でも、緊張して全然駄目だったんでしょ?全く実力出せなかったんでしょ?だったら次頑張ればいい話じゃない。次は2回目だし、今回ほど緊張しないでしょ? 実力出し切ってないんだもん。頑張れ!諦めるな!って言えるでしょ。だから良かった。」
お客様へのプレゼンがうまくできずに落ち込んで帰ってきたメンバー。
ご要望をしっかりとヒアリングできず提案が的外れで受注に至らなかったメンバー。
日々、うまくいかずに落ち込んだり行き詰っているメンバーに対して、愛子さんのようなスタンスで接することができたなら、メンバーはどんなに勇気づけられ励まされることかと思います。
何でできなかったの? あんなに練習したのに?
何が悪いのか、誰が悪いのかではなく、「どうしたらうまくいくのか」という視点が愛子さんには備わっているのでしょう。実力出せなかっただけだから、次は出せるようにすればいいよと明るくポンと背中を押してあげる、その懐の深さと温かさに全く脱帽です。
もちろん、場合によっては厳しく言うことも必要です。
しかし、反省して落ち込み悩んでいるメンバーに対して、傷口に塩を擦りこむようなダメ出しをするのではなく、愛子さんのような包容力を持ち合わせているマネージャーがそばにいたなら、メンバーは「また頑張ろう!」「次こそ頑張ろう!」と前向きになれるのではないでしょうか。
朝ドラをぼんやりと見ながら、愛子さんに自分を重ね見て、まだまだ私には愛が足りない・・・ と自らを戒めたのでした。