マネジメント・リーダーシップ経営幹部育成

カマラ・ハリスから学ぶリーダーシップの極意:3つの話し方の秘訣

私たちがリーダーとしてどのように話すかが、成功を決める鍵となることは多くのリーダーが理解しているでしょう。しかし、具体的に何が重要で、どうすれば人々の心を動かすことができるのか。先日、カマラ・ハリス副大統領が民主党全国大会で行った40分間の演説から学んだ3つの重要なポイントを紹介します。

1.自分の価値観と使命を明確に、分かりやすく伝える

ハリス氏は、母親や高校時代の友人とのエピソードを交えながら、自分が大切にしている価値観がどのように育まれたかを丁寧に語り、それによって生まれた使命に結びつける形で、大統領としての決意を伝えました。日本のリーダーは使命を語ることが多いものの、その使命がどのように生まれたのか、どんな価値観がそれを支えているのかを語る機会は少ないように思います。

「私は〇〇という価値観を持っている」「この部分は絶対に譲れない」「〇〇のために全身全霊を尽くして前に進む」など、その人の真芯から出た言葉は、聞く人の心に強く響きます。こうしたアプローチは、リーダーがメンバーに共感され、信頼を得るために非常に重要です。

2.ライバルと戦うのではなく、違いを明確にする

リーダーとして、他者との違いを鮮明にし、自分のポジションを明確にすることは、マーケティングの基本原則とも言えます。相手の欠点を批判するのではなく、自分の提供価値を際立たせることが、リーダーとしての成功に直結します。リーダー達の話を聞いて、「大きな違いはない」「誰がリーダーでも同じに感じる」と相手に思わせてしまうのでは、そのリーダーシップは失敗です。

「私は、中間層を強化する」「私は、独裁者達にすり寄ることはしない」「決して後戻りしない」など、聴衆に自らの提供価値を高らかに宣言することは、強い覚悟と信念がなければ語ることはできません。自分の違いを明確にすることで、メンバーに与える影響を大きくすることができます。

3.自分の言葉で語り続ける

ハリス氏の演説は40分間にわたりましたが、彼女はペーパーなしで、聴衆を見ながら自分の言葉で語り続けていました。日本のリーダーで、40分間もの長きにわたり、何も見ずに聴衆の反応を伺いながら語り続けることができる人はどれだけいるでしょうか?このように自分の言葉で語り続けるためには、徹底した準備と、自分の考えが完全に「自分のモノ」になっていることが必要です。

長時間をいきなり話し続けるのは困難ですが、まずは3分から5分、10分と少しずつ伸ばしながら、自分の言葉で語る訓練を積んでみてください。この鍛錬が、リーダーとしての影響力を飛躍的に高める鍵となるでしょう。


リーダーとして、今日からでも自分の価値観を明確にし、それをチームに伝える機会を増やしてみましょう。また、日々の会話の中で、ライバルとの違いを意識し、自分自身の言葉で語る習慣を身につけることが大切です。

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