研修の講師やワークショップのファシリテーターを務めていますが、日々感じることは、「皆さんの前に立たせていただくには、逆に自分の学力や人格を磨かなくてはいけない」という強い気持ちです。ですから、仕事としてのアウトプットの何倍もの時間を自らのインプットに費やしています。それでもまだまだ足りないのですが・・・
このブログを以前から読んでいただいている方はご存知の通り、私は経営者としてもマネージャーとしてもまだまだ未熟。講師、即ち人の「師」であるとはとても言えるものではありません。
ではどんな気持ちで研修講師やワークショップのファシリテーターを務めているのか。
それは、私も参加者の皆さんと共に学ばせてもらう。「共に学ぶ」同志、学友のような気持ちです。
ですから、お客様企業で何が起きているのか、現場のマネージャーや社員の皆さんは何で困り、どんなことを考えているのか、できるだけ詳しく知りたいと思っています。頭だけで考えるのではなく、実際の現場を見て聞いて肌で感じて、共に考え話し合い、そして学び合う。それにより、一層互いの学びを深めることができるのだと信じています。
「私は皆さんの先生ではありません。学友だと思ってください。今日の研修では私も一緒に学ばせていただきます。」
冒頭、こんな風にお伝えすると、最初は皆さん、面食らった表情をなさいますが、すぐに「先生ではないんだな」とご理解いただけます。一緒に考えることはしても、正解をお教えすることはないからです。「わかる、わかる。Aマネージャーの気持ち、本当に私もそうだったからよくわかります。」なんてことはしょっちゅうです。一緒に怒ったり、一緒に悩んだり、そんな講師は珍しいようです。
でも、私は参加者の皆さんとのそんな時間こそが宝物だと思っています。
理屈や理論だけで進んでいく研修なら本を読んでも同じこと。
私は血の通った研修にしたいと思っているのです。
「学友です」と言っているのに、「いやぁ。姉御と呼んでいいですか?」などと同年代の男性マネージャーに言われたりすると気恥ずかしいのですが、嬉しくもあります。
インフィニティに先生は存在しません。いるのは皆さんと共に学ぶ学友のみ。
そんな人材育成、組織開発の会社もまた良いと思うのでした。