組織開発

“相談できない空気”を放置する組織は、変わるチャンスを失う

先日、ある場で交わされていたやりとりが、ずっと心に引っかかっている。

ある職場で起きたトラブルをめぐって、
「なぜその場で違和感を伝えなかったのか?」という問いが投げかけられた。
それに対して返ってきたのは、
「そんなことを言える空気じゃなかった。相談すれば自分が不利になるから」という言葉だった。

こういう話、実は、どこの職場にもある。
けれど――「言えない空気」を放置する組織は、いずれ健全な変化のチャンスを失う。

問題は“言えない空気”を当然としてきた組織構造にある

「相談できなかった本人が悪い」と言うのは簡単だ。
でも、そう言ってしまった瞬間に、
「言えなかった理由を生み出している構造」から目をそらしてしまうことになる。

本来、組織の中で違和感や懸念があったとき、誰もがためらわずに声を上げられる空気が必要だ。
その空気がないのだとしたら、それは“個人の問題”ではなく、“組織の課題”である。

競争がある職場こそ、“安全な対話”の仕組みが必要

「競争があるから言えない」「言えば自分が損をする」――そう語る声もある。
でも、競争のある職場なんて、どこにでもある。
営業でも、マネジメントでも、経営の現場でも、誰もが結果を出すために日々奮闘している。

その中で、健全な切磋琢磨が成立しているチームもたくさんある。

違いは何か?

それは、競争と安全が両立しているかどうか
「成果は求めるが、声をあげることを妨げない」
そんな文化と仕組みが整っているかどうかで、組織の健全性は大きく分かれる。

先輩にはとてもお世話になっているし、ありがたい。
仲良くしてもらっている仲間もたくさんいる。
けれど、本当に大切なことを相談できる人は、会社にはいない。
そう感じている人は、きっと少なくないと思う。



外部メンターのような“聴ける存在”が、これからの組織を支える

内部で相談できないのなら、外部に“信頼して話せる人”がいることが、
リスクを最小限に抑える第一歩になる。

外部のコーチやメンター、キャリア相談窓口など、立場のしがらみなく、冷静に話を聴ける存在。
それは「最後の逃げ道」ではなく、「最初に選べる相談先」として、もっと普通にあっていい。

相談を“特別なこと”にしない。
その文化を根づかせるのは、経営側・管理職側の責任だ。

「本人が声を上げなかった」ではなく、「声を上げられない組織だった」と考える

組織は人でできている。
でも、その人が安心して声を出せないのであれば、その組織は機能していないと言ってもいい。

何が正しいか以前に、
「声をあげても大丈夫」という構造と文化をつくる。

これが、未来の組織にとって絶対に外せない土台だと思う。



人は完璧じゃない。
だからこそ、「気づいたら、相談できたら、止められたかもしれない」――そういう一歩が取れる環境が必要だ。

問題は、過ちそのものよりも、“声をあげられないまま、何も変わらないこと”
そこに、変革のチャンスがあるのに、気づかないまま進んでしまうこと。

だから私は、これからも、
「安心して話せる場所」
「ちゃんと耳を傾ける存在」
そして「構造としての支え」を、組織の中に増やしていきたいと思っている。

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