マネジメント・リーダーシップ

部下に任せることができない。その本当の理由は?

メンバーを『可愛がる』ことで、実は成長の機会を奪っていませんか?

メンバーが失敗しないように、あれこれ口出ししてしまう過保護なマネージャー。
メンバーの事を大切に思えばこそ、クレームになったら可哀想。
大きな失敗をしないようにと、一から十まで指示命令。
気がつかずに過保護な我が子ならぬ、過保護なメンバーを自ら作ってしまっていませんか?

かつての私も、その壁にぶつかっていました。
友人に言われたことがあります。

「多少怪我をしたっていいじゃない。信じて任せてあげれば。」

しかし、私は「信じて任せる」が本当に難しかった。
「信じる」ことが難しかったのだと思います。

なぜ「信じる」ことが難しいのか?

冷静に考えてみると次のような理由が考えられます。

① 大切に育てることを、失敗させてはいけないと勘違いしている
② 最初から、「できない」「無理だ」と決めてかかっている
③ 失敗して後で尻拭いしなければいけないのなら、私が手助けしてちゃんとできたほうが良いと、潜在意識で思っている
④ かまってあげることで、自分の存在意義を見出している

愛するよりも信じる方が難しい。
本当にその通りです。

信じて温かく見守る。
これほど難しいことはないのかもしれません。

信じてくれた先輩の存在が私に教えてくれたこと

20代半ばの頃、ちょっとしたトラブルがあり、
会社の多くの人たちから私のミスだと指摘されたことがありました。
「それは大きな誤解で、私は決して言われたような行動をしていない」
と言ったのですが、周囲には信じてもらえませんでした。
そんな中、先輩がたった一人言ってくれたのです。

「君がやっていないと言うならやっていないのだろう。
僕は君を信じるよ。
ただ、このままの状況は良くないので、問題を解決できるように前を向かなきゃね。」

「君を信じる」この言葉に号泣してしまったことを覚えています。

先輩のその言葉に背中を押されて問題を解決したばかりでなく、
周囲からの大きな信頼を逆に勝ち得ることができました。

「信じる」とは「何」を信じることなのか

先輩は、私の考え方や行動を信じてくれました。
決して、「成功」や「勝利」を信じたのではないと思います。

かたや、私がメンバーを信じて任せられなかったのは、
「結果」を期待できないから、信じられないと思っていたのです。
私が信じるべきは、メンバーの「行動」や「頑張り」なのに、信じる対象を間違えていたんですね。
メンバーが信じた行動や頑張りを見せてくれるなら、
それを見守り、結果に結びつくフォローをするのがマネージャーである私の仕事です。
なのに、私は信じる対象を間違えて、正しいマネジメントができていなかったのだと思います。

私が信じるべきは、メンバーの『行動』や『頑張り』なのに、その対象を間違えていた。ちっぽけな器の持ち主だったと、今ならわかります。

行動や頑張りを信じられるようになるための第一歩

では、どうすればこの「信じる」という難しい行為に一歩踏み出せるのでしょうか?

まずは、小さな成功体験から積み重ねるのがおすすめです。
「これなら任せられる」という簡単な業務や判断から、メンバーに権限を委譲してみる。
そして、たとえ少しつまずいても、すぐに口出しせず、見守る時間を与えてみてください。

次に、期待値を明確に伝えることです。
「ここまでなら大丈夫」「この点だけは確認してほしい」と具体的に伝えることで、
メンバーは安心して仕事に取り組めますし、マネージャー側も過度な不安を軽減できます。

何よりも大切なのは、もし失敗しても、それが学びの機会であると捉えることです。
失敗から何を学び、次にどう活かすかを一緒に考える姿勢こそが、
メンバーの成長を促し、マネージャー自身の「信じる力」を育むことにつながります。

あなたはメンバーを愛していますか?
あなたはメンバーを信じていますか?

 最新記事をメールでお知らせ!
  ✔ 無料 
  ✔ いつでも解除OK
 こちらから登録してください!

タイトルとURLをコピーしました