企業研修でリーダーシップ研修の講師をしていた時、
「上司をつぶすのなんて簡単だ!」と、
穏やかに、しかし、とても冷たい口調の受講生がいました。
うわぁ。昔の私よりもかなり過激!
そう思った私は、興味津々、深掘り質問をしてみました。
「上司をつぶしたいと思う理由」と「どうやってつぶすのか」
「部下が上司をつぶすのなんて、実は簡単なんですよ。
僕らが仕事をしなければいいんだから。
そうすると全く結果が出ない。
上司はマネジメント失格、
成果を出すことができない人間として評価を受けます。
実際僕は、上司をつぶしたことありますよ。」
自分の評価を全く気にせず、
自分が仕事をしない捨て身のやり方で上司の評価を下げようとするとは、
よほど上司のことが嫌い、いえそれ以上の感情だったのだと推察しました。
「本来上司とは、会社から大切な社員を預かっている。
自分のチームが成り立っているのは部下一人一人のお陰なのだから、
部下に感謝し、部下が働きやすいよう気を配ることが、最低限のマネジメント。
ところが、俺様的な上司も中にはいて、部下に感謝するどころか、
俺様のお陰でこの部署は成り立っているんだから、
俺様のモチベーションを下げるような働き方をするな。
もっと俺様が仕事をしやすいように部下は気をつけろ。
みたいなことを言うんです。
表立っては立派なことを言っていますが、
言っていることとやっていることは、ある意味真逆。
こんな人は管理職であってはいけない
と思い、仕事を全くしなかったんです。」
上司のあなたは自分の本音に気づいている?
「メンバーに感謝している」と口では言っても
実際の行動や普段の発言から、本音の部分では実はそうではない。
メンバーは仕事をするコマぐらいにしか実はとらえていない上司は
実はとても多いです。
そして、そういう方達は、自分がそんな風に本音の部分では思っていることに「気づいていない」のです。
それが、最も恐ろしい・・・
どうして上司は、自分の本音に気づけないのか?
それは、上司自身もまた、過去に「コマ」として扱われた経験があり、
それが無意識に連鎖しているのかもしれません。
また、忙しさや業績達成のプレッシャーなどから、
部下の感情に目を向ける余裕のなさがもたらすのかもしれません。
もしくは、過去の成功体験がもたらす盲点なども考えられます。
上司はポジションパワーを持っていますが、
部下だっていざとなれば
「窮鼠猫を噛む」と反乱することはできるのです。
つぶされるターゲット上司にならないために
部下を「人」として見るのか、「仕事を回すコマ」と見るのか、
あなたの本音の本音の、もっと本音の部分で、どう思っているのでしょうか?
マックロクロスケ時代の私は、「誰が何と言っても絶対に『人』として見ていた」とは言い難いと、今は思えます。
やっぱり、彼らを「手段」として捉えていた気がする・・・
当時の部下のみんなにつぶされなかったのは、単に、私の運が良かっただけなのかもしれません。
部下につぶされるのを恐れるのではなく、
部下にそんな思いを抱かせない上司である。
それが一番大切なことですね。
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