メンバーと深く話す時、自分にとって未知の話題となると、どうアドバイスして良いかわからずに困ってしまうというご相談がマネージャーのCさんからありました。
「そんな時はどうするの?」
と質問すると、
「もっと自分で考えてみろ。」
と言ってお茶を濁すということでした。
そこで逆の質問をしてみました。
「自分の先輩や上司に質問や相談をしたら彼らにとっても未知の事だったとわかった時、彼らがどんな態度だったら嬉しいと思う?相談して損したとか、なんだ知らないのかとか、そういう残念な気持ちではなく、良かったと思うのは彼らがどんな風に接してくれる時かしら?」
するとCさんは少しばかり考えた後、ハッキリとこう言いました。
「一緒に考えたり、一緒に悩んだり、一緒に調べてくれたり。」
「つまり、『一緒』がキーワード?」
「そうそう。突き放された感じがしない。知らないんだったら仕方ないけど、そこで放置しないで時間をわざわざ割いてくれたら、それはそれでありがたいと思う。」
「つまり、そういうことなんだよね、きっと。」
「???」
「だから、マネージャーだって何でも知ってるわけじゃないし、わからないことあって当然だし、初めてのトライだってあるだろうし、何でもかんでもアドバイスできるわけじゃなくって、大切なのは、その時にどうするか、ってこと。」
「・・・・。それでバカにされないでしょうか・・・」
「今、自分で言ったじゃない!そういう先輩や上司をCさんはバカにする?万が一、そういう態度をメンバーがとったとして、わからないこと、知らないことは如何ともし難いよね。ごまかす方が悪だと思うけどな。相談受けた時点で分からないんだったら、その状況でどうベストをチョイスするだと思うけどな。」
「そうですね。カッコつけようとするからいけないんですね。わからないんだったら、わからないと言って一緒に考える、一緒に学ぶ姿勢を示した方が、遥かに人間らしいというか、カッコいいですね。」
そう言ったCさんには爽やかな笑顔が戻っていました。
マネージャーだからと言って完璧ではありません。
「わからない」「未知だ」「一緒にやろう!」
そう正直にさらけ出すことができることこそが、人として何よりも大切なことだと思います。