マネジメント・リーダーシップ禅語から学ぶリーダーのあり方

「和敬清寂」心を開き敬いあうことが成功に繋がる

お茶会を前に、「和敬清寂」(わけいせいじゃく)のお軸を思い出す出来事がありました。

 

お茶席のお客様のお茶碗が空いているのに水屋からなかなかお茶碗を下げに来る様子がなく、半島役だった私はしびれを切らしてしまいました。お稽古だったということもあり、少しふざけてお茶席の方から水屋に「お~い。」と声をかけました。

すると先生がこんな風におっしゃいました。

「声がけは決してダメですよ。例えお稽古でもね。正客(最初のお客様)の茶碗を半島が下げるとき、半島が水屋に次客の茶碗が空いていると教えてあげるといいですよ。」

ふざけた事を反省しながらも、「まだ次客の茶碗は空いていなかったので・・・」と言ってしまった私。

すると先生はまたおっしゃいました。

「では、次客の茶碗はまだ空いていないと、水屋に言っておいてあげると水屋は茶席の様子がわかりますね。茶席の様子を目で見て分かっているのは半島だけ。水屋は茶席を決して覗くことはできず、気配でしか感じることができません。半島の気配りがあると随分助かるのですよ。」

 

いたた・・・。頭では分かっていても、和敬清寂が実践できず、ダメな自分が出てしまったお恥ずかしい例です。

 

「和」とは、お互いに心を開いて仲良くする

「敬」とは、お互いに敬い合う

「清」とは、心清らかに

「寂」とは、どんなときにも動じない心

 

チームにおいて、互いに心を開き敬い合い、互いがより良いパフォーマンスを出せるよう支え合いながら、仮に小さなミスをしたとしても動じることなく心静かに前へ向かう。

言うは易く行うは難し、ですね。

 

これは茶席に限ったことではなく、ビジネスでも言えることです。特に、「和敬」の心はチームの基盤を作るに当たってとても大切です。リーダーは自分自身が「和敬」を率先すると同時に、心を開き敬い合うことができるチームの土壌を整えなければいけません。

 

半島の心構え一つで茶の湯チームの状態が大きく変わるのと同様、リーダーの和敬清寂の心構えがチームの状態に大きく影響すると肝に銘じ、日々の行動に取り組まなければいけません。

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