組織開発

組織開発に立ちはだかる「見えない壁」を超えるために

組織開発や風土改革を推し進める方の多くが抱える悩みの一つに、社内の「抵抗勢力」の存在があります。

「今のままで何が問題なのか?」
「どうして変わらなければいけないのか?」
「これまでの自分たちのやり方を否定するのか?」

意見は様々ですが、その数が多いほど、声が大きいほど、行く手を阻まれ、なかなか前へ進むことができずに困り果ててしまう、というご相談も多くあります。

「手段」と「目的」を混同していないか?

組織開発や風土改革の議論が行き詰まる大きな理由の一つに、「変えるか、変えないか」という手段の議論に終始してしまうことがあります。

変える、変えない。 変わる、変わらない。

これらはすべて「手段」です。

にもかかわらず、多くの議論はこの手段の是非を巡って対立し、平行線をたどります。
「変革=変えること」と無意識に捉え、変えることそのものが目的化してしまう。
そして、反対する人を「抵抗勢力」とラベリングし、どう説得するか、どう押し切るかにエネルギーが奪われる。

しかし、そもそも何のために変えるのか、何を目指しているのかが明確でなければ、手段を議論することは不毛であり、答えが出るはずはありません。

本来向き合うべき問い

大切なことは、

「私たちは、何者(どのような存在)でありたいのか?」 
「私たちはどこへ、何を、目指しているのか?」
 「そうある、なるために、どのような手段が最適か?」

など、ゴールについて徹底的に話し合い、そこに対してコミットを得ることです。
ここに向き合わずして、組織開発も風土改革も始まりません。

ゴールが共有できていなければ、どんな手段も「やらされ感」を生み、抵抗を生みます。
逆に、ゴールへの理解と腹落ちがあれば、手段は中立的な選択肢になるのです。

目的が明確になると、選択肢は自然と見えてくる

ゴールを共有できていれば、その手段として、変わった方が良いかもしれないし、変えない方が良いかもしれません。
さらには、変える、変えないの二極論ではなく、「守るべきコト」「捨てるべきコト」「新たに取り入れるコト」なども、ゴールを目指す上で必要なものとして、自然と明確になります。

ある企業では、「お客様からの『感謝』と『信頼』を寄せられ続ける存在になる」というゴールを、時間をかけて全社で議論しました。
すると、伝統的な顧客対応の「何でもOK」は、本当はお客様にとってベストではない場合もあるので、変えよう。
お客様から要望を断るのではなく、より良い提案に変えてご理解いただくやり方に変えていこう。
そのためには新たなコミュニケーションの取り方は、社内体制を見直そう。
等が前向きに議論され、合意形成に至りました。

変える、変えないではなく、ゴールにたどり着くために、自分達は「何をすることがベストか」と考えることで、過去の否定という心理的ストレスは手放され、より建設的な話し合いが可能になります。

目的が明確であれば、手段は対立軸ではなく、協働で考える選択肢になるのです。

組織開発や風土改革は、「手段」であり、目的ではありません。
何のためにそれを行うのかの目的が明確であり、それに全員がコミットしているところから、スタートが可能になります。
成功する組織は例外なく、「どこを目指すのか」のゴールを明確にして、腹落ちさせてから動いています。
手段思考ではなく、目的思考が成功の秘訣です。

あなたの組織開発・風土改革の目的は「何」ですか?
そこに、関係者一同、理解・腹落ちができていますか?

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