誰だって変わることができる

「べき子」からの卒業

知人のSNSにこんな投稿がありました。
「性格とはやっかいなもので、最近、べきちゃんがまた元気になってきた。云々」

わかる。わかる。かつて、強烈なべき子だった私としては、この投稿主の気持ちが痛いほど分かります。
私はかなりの「べき子」でした。そして、問題なのは、この「べき」を相手にも押しつけてしまうこと。結果、意図せずにかなりのブラックマネージャーになってしまいました。

では、なぜ私は「べき子から卒業」できたのか。
それは、最初からべき子を卒業しようと思ったのではなく、あることをした結果、べき子を卒業できたというのが正しいようです。

メンバーに色々な事を強要してしまうのは、私にかなりの「べき」があるということに気がついたのは、実は、自分のマネジメントに悩み始めてずいぶん経ってからでした。
自分は「べき子」であるという自覚は殆どなく、それが「普通」だと信じて疑っていなかったので、私の「べき」が通じない他者はおかしな人だとさえ思っていました。今振り返ると、随分と傲慢だったと思います。
私はかなりのべき子だと分かったのは、たまたま受けたアンガーマネジメントの講座がきっかけでした。そこで、自分の「べき」を考えるワークをした時、他の参加者と比べても、私はかなり強烈なべきの持ち主だと分かり、ショックを受けたのを憶えています。

しかし、だからと言って、すぐにべき子から卒業できたわけではありません。アンガーマネジメントでは「べきの枠を広げましょう」とは教えてくれますが、どうやって広げるのか、そもそも私の場合はその強度がかなりのものだったため、そんな生易しいものではなく、はてさてどうしたものかと、自分でも困り果ててしまったのです。

私は強烈なべき子である。だから、メンバーに対して許せない事や我慢できない事の許容範囲が他のマネージャーよりもだいぶ狭く、また、自分の価値観を押しつけてしまうのだ。

自分のマネジメントの悪因がわかったような思いがしました。このべき子を何とかすれば、私もいっぱしのマネージャーになれるかもしれない。
でも、どうして私はこんなに人並み外れた強烈なべき子なんだろう。
なぜ・なぜ・なぜと、何度も自問自答を繰り返しました。

どうしてべき子なんだろう・・・・ ⇒ 立派で人に認められる人間でなきゃいけないから。
どうして立派な人間じゃなきゃいけないの? ⇒ そうでないと母に認めてもらえないから。
どうして母に認めてもらえないの? ⇒ お姉ちゃんよりも全然劣っているから。
どうしてお姉ちゃんより劣っていると思うの? ⇒ 子供のころからお姉ちゃんはすごくて、私は全てにおいて劣っていて全然ダメダメな子だから。

そう!私は物心ついた頃から「自分はダメ子」という考えが潜在意識に強く根付いてしまい、その結果、実は、人並み外れて低いということが分かったのです。
全ての根本原因、真因はここにあったのです。
ブラックマネジメントだったわけも、ガンダムスーツを何重にも着込んだのも、剣を持って闘って自分を大きく見せようとしたのも、原因は極端なまでの自己承認のなさだったのです。

そこからは、「ありのままの自分=凸凹で完全でない、それでも愛すべき自分」をまるごと受け入れるよう、様々な努力をしました。(これについて話すと長くなるので、また改めて)
すると・・・・

自分を受け入れることができればできるようになるほど、べき子の顔は影を潜め、いつの間にか、べき子から卒業できていたのでした。
今振り返ってみると、べき子時代は苦しかったな・・・。そんな風に思います。

これは私の話で、べき子やべき男の原因は人それぞれだと思います。
大切なのは、直接にべき子やべき男をやっつけようとするのではなく、べきが顔を出してしまうその真因を探ることが、解決への早道なのではないでしょうか。

べき子から卒業できた今、自分でも驚くほど気持ちに余裕ができました。
何より、楽に生きることができるようになったと思います。

「べき・べき・べき」とがんじがらめになっているあなた。
あなたもきっと、べきから離れることで、もっと豊かな毎日を送ることができるようになるに違いありません。

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