NHKスペシャル「平成史スクープドキュメント」で、当時43歳の若さで島津製作所の社員でありながらノーベル賞を受賞した田中耕一さんのインタビュー番組を見ました。
番組では一躍時の人となってしまった田中さんのその後の苦悩について語られていましたが、その中で私が「!!!」と心に響いたのは田中さんの「ある日」についての言葉です。
「ある日」が突然いきなりやってくることはない。
「ある日」は何もなかった日々が幾日も幾日も続いたその後にやってくる。
なかなかうまく物事が進まない時、「どうして自分だけついていないのかな」とか、「やっぱり駄目なんだ」「自分には『ある日』はやってこないんだ」などと思ってしまいがちです。
けれども田中さんの話を聞いていると、その一言一言にはとても重みがあり、「ある日」がまだやってこないのだとしたら、それは、必要な道のりを進み切れていない、「まだ」なのだろうと感じます。
こんなに頑張っているのに!
必死でやっているのに!!
これまでの努力が「ダメだ」というのではありません。
望む「ある日」にたどり着くには、まだもう少し距離があるということなのでしょう。
同じ「ある日」を目指すのであっても、それは人によって、時期によって、状況によって変わってくるのでしょう。
同じだけ頑張ったから同じようにたどり着けるというものではないのです。
人それぞれなのですね。
ある日がいきなり突然やってくることはない。
何もなかった日々が続いてこそ、ある日はやってくるのです。