戦略人事

適材適所と適所適材 どちらが正しいのか

人の所属や将来を考える時、適材適所と適所適材のどちらが正しいのかと迷う方が多いようです。
人を「材」とするこの表現そのものを私は好きではありません。適人適所、適所適人 と敢えて言いたいところです。
話は戻り、「どちらが正しいか」の問いの答えは、「どちらも正しい」です。

適材適所とは、その人の強みや特徴を活かせる場所・ポジションで活躍できるようにすること。適所適材とは、その場所やポジションにはどのような能力や強みを持つ人が適切かを考え、それに相応しい人を置くこと。またはそれらポテンシャルを持つ人をそのために育てることです。

適材適所と適所適材は、うまく使い分ける必要があります。
ハイポジションであればあるほど、適所適材の考え方が優先される必要があるでしょう。組織の中枢となり全体を牽引してかなければならない存在を適材適所の考えだけに寄せていては、組織の戦略実行実現はままなりません。将来ビジョンやイノベーションへの挑戦で時代を切り開き乗り越えていこうと覚悟するならば、適所適材の考えのもとに人を育てる、配置する考え失くして組織の成長と存続は難しいと考えます。

一方、ゼネラリスト向けではないが、ごく狭い範囲だが秀でた強味がある。この特徴を活かすことはできないか。と考えた時には適材適所の考えが有効です。強みで勝負することが成果への最も最短距離であり、それは働く人の自己肯定感や次なるモチベーションに繋がります。
適所適材の考えでは居場所を見つけられない人も、適材適所の考えにより、唯一のスーパープレイヤーになることが可能です。

適材適所と適所適材は、どちらかだけに偏るのではなく、場面や状況、ヒトによって使い分けることが最も効果的な考え方です。

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