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我身ながらの師匠なりけり

所属している会の総会へ出席した時のことです。
私たちが師事するAさんが代表挨拶をしたのですが、演台に置かれたマイクが少し遠かったのか、声が会場にあまり良くは届きませんでした。
私は一生懸命に耳を凝らしてAさんの言葉に耳を傾けました。
何気ない言葉の中にもAさんのお人柄、品格・品性が滲み出ており、Aさんが師であることを誇りに感じました。

と、その時、ポソリとトゲのある言葉が聞こえてきました。
「マイク、近づければいいよのね」
司会進行を務めていたXさんの声でした。
「え?」
私と隣に座っていたMさんは思わず顔を見合わせてしまいました。

確かにそうかもしれません。
しかし私たちが驚いたのは、発言の正当性ではなく、短い一言から感じられたXさんのトゲのようなものでした。

総会終了後、Mさんとのお茶飲み話はもっぱら「品格・品性」についてでした。

普段、どんなに着飾って綺麗にして、言葉遣いとか気を付けていても、何気ない時にポロっと本性が出ちゃうんだよね。
品格とか品性とか、とって作ってできるものじゃなく、滲み出たり溢れ出たりするものだよね。
品格があるって難しいけど、下品ってある意味簡単。けど、自分ではきっと気づかないんだよね。
日頃が大切なんだよね。
毎日が修業だ~

そしてお決まりのように、
「私が下品に陥っていたら、遠慮なく言ってね。」
「私もね~」
でした。

下品というと言いすぎかもしれませんが、「品がない」「落ち着きがない」「がさつである」などは、その人の信用・信頼に大きく関係することだと思います。
「なんか信用おけないんだよね、あの人」と感じる人はやはり、どこか胡散臭い=品がない、となるのではないでしょうか。
そしてそれらは努力によって払拭することができるものだと思っています。

「ローマは一日にしてならず」ならぬ「品格は一日にしてならず」です。

その道に入らんと思う心こそ 我身ながらの師匠なりけり

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