あなたのビジネスにおけるマネージャーとして、リーダーとしての武器は何でしょうか?
山ほど身に着けたビジネススキルや知識。
業務に効果的な難易度の高い資格。
著名・高名な人と知り合いであること。
これまで出してきた成果。
「ビジネス力」と呼ばれるものの中には色々なものがありますが、これら多くの武器を一つ一つ習得し身に着けることで、マネージャー、リーダーとしての今があるとも言えるのではないでしょうか。
では、これら武器を全部手放し、あなたを武装するものが何もない「裸のあなた」には何がありますか? ビジネス力という武器を手放し武装解除したあなたは、何で勝負しますか?
これまで私はガンダムスーツを何重にも着込み、できるだけ多くの武器を持つことで、必死に戦ってきたように思います。
しかし、いくつ武器を持っても上には上がいる。さらにガンダムスーツが必要になったり新しい武器が必要になったり、「これで絶対に勝てる!」という安心・自信が得られることはありませんでした。何より武装することが当たり前になってしまい、いつの間にか「本当の自分」がわからなくなっていたように思います。
ある時、「素」で勝負している人に出会いました。いろいろな武器を持っているのでしょうが、それをちらつかせることは一切なく、「その人のまま」で勝負しているのです。
雷に打たれたようなショックがありました。
大企業特有の競争社会の中で生きてきた私にとって、武装解除して戦うなど想定だにしたことはなかったし、もちろん、そういう人にお目にかかったこともありませんでした。社会人生活30年目にして初めて「素で戦う人」を見たのです。
その方も、「生き馬の目を抜く」という表現がぴったりの競争社会、実力の世界で生きてきた方です。にもかかわらず素顔で、裸で戦っている。
「知識やテクニックで勝とうとしても、上には上がいるし勝負にならない。だとしたら、自分にしかないもの、自分らしさで勝負しよう。それが素の自分、ありのままの自分、自分らしさを前面に出して戦うということかな。」とその方はおっしゃっていました。
「輝いている」「なんて軽やか」と思いました。
そして、素で勝負している人は「本当に強い」とも感じました。
自分を大きく見せるのでも飾るのでもなく、ありのままの自分、本当の自分で生きているのです。
生き方そのものがマネジメントであり、マネジメントが生き方なのです。
ビジネスを遂行していく上で、一定の武器は必要です。しかし、武器を用いてマネジメントを行うのではなく、マネジメントは自分の生き方そのものであると捉えることで、私は脱ぎたくても脱げなかったガンダムスーツをいとも簡単に捨て去ることができ、裸の自分、ありのままの自分を見つめ直すことができました。
武装するのではなく素の自分を磨き上げる。
余分なものを全てそぎ落として本来の自分が顔を出したことによって、その人の人間性に光が当たり輝いて見え、それを人は「変わった」と感じるのかもしれません。
それは、イガグリが硬いとげとげのイガを脱いだら艶々の美しい茶色い栗が現れ、更に鬼皮を剥き、渋川を剥くと、なんともハンサムor美人さんで美味しそうな栗の実が顔を出すようなものかもしれません。
みなさんは武器を捨てても戦えますか?
武器を手放した皆さんには何がありますか?